習近平の汚職対策はすばらしい!社会主義仲間・ベトナムの評価

Record China    2014年2月2日(日) 23時11分

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共に社会主義、共産党一党独裁の国であるベトナムと中国、ベトナムが中国を参考にすることは色々あるのでしょう。でも、「これも中国に学ぶの!?」と思うようなテーマもあります。それはずばり「汚職対策」。写真はベトナム・ハノイ。

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共に社会主義、共産党一党独裁の国であるベトナムと中国、ベトナムが中国を参考にすることは色々あるのでしょう。でも、「これも中国に学ぶの!?」と思うようなテーマもあります。それはずばり「汚職対策」。BBCベトナムは、NguyenBaThanh内政委員会主任、汚職防止中央指導委員会副委員長の訪中を報じています。

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NguyenBaThanh主任は12月16日から中国・北京、上海を公式訪問。孟建柱(モン・ジエンジュウ)政治局委員、中国共産党政法委員会書記と会談しました。孟書記は中国における警察・司法を所管する立場にあります。またThanh主任は中国共産党中央規律検査委員会(中紀委)関係者とも会談しました。

中紀委は共産党内の組織ですが、社会主義らしく司法に優先するポジションにあります。汚職官僚の摘発ではまず中紀委が取り調べし党内処分を下した後に、司法手続きへと移るのです。その中紀委ですが現在、権限を拡大中とのこと。その中紀委とのミーティングなのですが、ベトナムにもフィードバックされるのでしょうか。

実はベトナムも汚職対策指導委員会を政府管轄から共産党傘下に今年移管したばかり。中国の動きはベトナムにとっても大いに気になるところなのかもしれません。習近平(シー・ジンピン)の指導による共産党の「生死をかけた」反汚職闘争、そして政治局員だった周永康(ジョウ・ヨンカン)氏への捜査が続いているというタイミングでのThanh主任の訪問だけに、BBCも注目しています。

■「悪い奴らにゃあ容赦しない」の人気政治家

そもそもこのThanh氏はダナン市での積極的な行政改革、「悪い奴らにゃあ容赦しない」的な発言で人気を得てきた政治家で、共産党防止委員会の下に今年新設された内政委員会の委員長にも抜擢され、中央政界にやって来ました。

現在16人いる、ベトナム共産党最高幹部の政治局員にはなりそこねたとは言われていますが、国民から人気がある数少ないベトナム政治家といえるでしょう。ただ今回の訪中はベトナム通信社系がさらっと伝えている程度で、その他メディアはほとんど反応していません。彼の言動は割と話題になるのと対比すると、多少抑えられた報道になっているのかと推測されます。

中国メディアは時にベトナムの改革を引用、自国の改革の停滞をあてこすることがあります。その合わせ鏡のような関係ですが、ベトナム・メディアもまた中国の動きはよく取り上げます。もちろん領土問題では徹底的に中国に批判的ですが、最近の習近平政権による「反腐敗」への意気込みに関しては、「うちの国もこれくらいやってくれたら…」と暗示するような取り上げ方です。

周永康の捜査についても、商業系メディアはかなり詳細に取り上げたがっているようです。「中国にはやっぱ悪い奴がいるもんじゃのぉ」という煽りに加えて、「隣の中国ではこういう悪い奴はちゃんと捕まっている、それに引き換え…」という示唆することで、国内問題にも引きつける。こうした手法はベトナム・メディアの常套手段です。

■社会主義もつらいよ、ぼやき合える中越の関係?!

メディアだけではなく、ベトナム官僚からも中国を評価し自国を批判する声も。

VINALINES元総裁の死刑判決。この問題について、国会科学技術環境委員会常務委員のTranThiQuocKhanh氏はTuoiTre紙の取材に答え、「裁判に時間がかかり過ぎている、韓国や中国は厳正にやっているし、中国では相当ハイクラスでも捜査の手が及び、死刑判決も出ている」とコメントしました。

北朝鮮と比べれば一応裁判という手続きを踏んでいるとはいえ、経済犯罪を犯した汚職官僚にあっという間に死刑を科したベトナム司法にはツッコミたくなりますが、ともあれ汚職対策を強調し、最近の中国の動きをグッドプラクティスと見る視点は広く共有されています。

「汚職対策を中国に学ぶんかい!」というツッコミはともかく、中国はたんに自国批判のあてこすりのための材料を超えた重要な参照枠となっています。というのも、中国とベトナム、同じような独裁体制の中でどのように程良い程度の自浄作用を作り出し、国民の信頼を維持することができるかは共通の切実な課題です。

特にポイントは「ほどよい」という部分で、やりすぎては体制そのものを壊しかねないだけに程度が重要です。ですから、この点では結構腹の割った意見交換がなされているんじゃないのでしょうか。「お互い結構大変っすよね」とぼやきあっているのでは、などと想像させられます。

◆筆者プロフィール:いまじゅん

ハノイ在住のベトナムウォッチャー。ブログ「ハノイで考えたこと」作者。中国在住も長かったので、ベトナムから見た中国、中国とベトナム比較といった視点にも注目。個人的には湘南ベルマーレの熱烈サポーターということから、サブトピックとしてはアジア・ベトナムサッカーにも関心大。

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