<直言!日本と世界の未来>戦後75年、惨禍語り継ぎ「永遠の不戦」を―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2020年8月16日(日) 5時40分

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第2次世界大戦の敗退から75年がすぎ、終戦の日がやってきた。日本は惨禍を重く受け止め、平和国家としての歩みを続けてきた。戦禍を被った国内外の多くの犠牲者に哀悼の意を表し、平和への誓いを新たにしたい。

第2次世界大戦の敗退から75年がすぎ、今年も終戦の日がやってきた。私が玉音放送を聴いたのは9歳の時。以来日本は惨禍を重く受け止め、平和国家としての歩みを続けてきた。戦禍を被った国内外の多くの犠牲者に哀悼の意を表し、平和への誓いを新たにしたい。

第二次大戦による犠牲者は日本だけで310万人を超え、アジアでは2000万人を数える。世界全体では7000万人に上るというから人類史上最悪の悲劇というほかない。

ところが75年の歳月によって戦争の記憶が薄れつつある。戦後生まれの世代は日本の総人口の85%になり、戦争の不条理を体験者から直接聞くことができる時代は去りつつある。日本が針路を誤った記憶は「昔話」と化している。侵略によって多大な迷惑をかけた近隣アジア諸国をヘイトする勇ましい声が勢いを増し、「敵基地先制攻撃」など平和憲法の「専守防衛」をないがしろにする動きが浮上していることは気がかりだ。だからこそ、戦争の実態を語り継ぎ、国民の中でしっかりと共有していく必要がある。

戦後の国際秩序は今、大きく揺らいでいる。米中の対立は世界史で繰り返されてきた新旧勢力の衝突に向かうかのようにも見える。その時に支えとなるのは、戦争の真の姿に対する理解だろう。イデオロギーを先行させたり国家のメンツにこだわったりせず、「負の歴史」を改めて検証する理性が重要となる。

戦争とは自衛も侵略も入り乱れており、「正義の戦い」といっても、水掛け論になるケースが多い。なんとしても事前に回避する基本姿勢と外交努力を忘れてはならない。また日本が中国、韓国などに多大な被害を与えたことは拭い去ることができない事実であり、その反省の上に、日本外交を展開すべきだ。さらに「狭隘なナショナリズム」に陥らないよう、戒める必要がある。

天皇陛下は8月15日の全国戦没者追悼式の「おことば」で、昨年と同様に「深い反省」を盛り込み、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」を切に願うと述べられた。

戦後75年、主要国で日本だけが戦争をしなかった。ベトナム、湾岸戦争、イラク戦争。フォークランド紛争もあった…。戦後75年の平和は貴重である。悲惨な戦争の記憶を継承し、「永遠の不戦」を目指したい。

<直言篇128>



■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。公益財団法人・藤原歌劇団・日本オペラ振興会常務理事。エッセイスト。

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