小島康誉 2020年8月22日(土) 16時0分
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21世紀は国際協力の世紀ともいえる。文明が急速に発展し、各国の相互依存が日に日に濃密になった結果である。写真は日中平和友好条約締結40周年記念 李克強総理歓迎レセプション。
世界には約200の国家があり、約3300の民族がいる。それぞれの歴史・宗教・体制・文化・言語などは異なる。国益は異なり主張はぶつかり合う。戦争・紛争・テロ・対立・差別…が世界で頻発している。相互理解はたいへん困難であり、だからこそ相互理解の努力が必要である。相互理解を促進し平和を守る一環として国際協力の重要性がある。国家のみならず企業や個人レベルでも必要な「共生」・「共育」・「循環型」活動である。
21世紀は国際協力の世紀ともいえる。文明が急速に発展し、各国の相互依存が日に日に濃密になった結果である。いまや世界77億人は運命共同体となった。国際協力は20世紀中葉から言われ始めた。筆者も1982年初めて新疆を訪れたころは、国際協力といった概念は乏しかったが、各種貢献を続けるうちに徐々に公共外交といった考えが形成されてきた。
日本人が内向きになりつつある。激動つづく世界、国論さだまらぬ日本。国家の存続と繁栄によって支えられている国民の生活向上のためにも外向きになり、世界で活躍する人がさらに増えることを望むひとりである。この「一帯一路実践談」で事実を坦々と長々と紹介してきたのは、国際協力実践を志す方の参考に少しでもなればと願うからでもある。
日本では貢献をかくすことが「美徳」とされる風潮があるが、世界はそうではない。日本国・日本人が世界各国で実践しつづけている国際貢献は世界の人々にどれだけ知られているであろうか。いや日本人でさえ殆ど知らない。国も団体も個人も、もっと堂々と発信してこそ、世界から信頼をえることが出来るといえよう。
日本は国際協力面でも先進的地位を占めている。税金からの政府開発援助(ODA)といった資金面ばかりでなく、国際協力機構(JICA)や国際協力銀行・青年海外協力隊・シニア海外ボランティアなど組織や制度も整っている。また多くのNGOや企業・個人が活動されていることは喜ばしいかぎりだ。ミヤンマーやネパールで活動している友人もいる。
国家や外交官だけでなく、政治家や公務員はもとより観光客・ビジネスパースン・研究者・留学生・一般市民などすべての人が公共外交の一翼を担っていることを意識し自覚ある言動を必要とされるのが21世紀であろう。
2020年世界で吹き荒れる新型コロナウイルス感染症。国際協力が展開される一方で、対立も生まれた。対立からは憎しみ・悲しみ・テロ・戦争といったマイナスしか生まれない。協調から発展や平和が生まれる。主張しつつ協調することこそが21世紀であり、国際協力なくして平和は維持できない。
■筆者プロフィール:小島康誉
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 <新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方> 書籍はこちら(amazon) 小島康誉氏コラム
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