村同士の抗争勃発、劉氏と廖氏の争いは銃や自家製大砲まで使用する事態に―広西チワン族自治区

Record China    2014年2月11日(火) 18時22分

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1月31日、広西チワン族自治区玉林市博白県鳳山鎮書房地村で、2000人が入り乱される械闘(宗族など二つの勢力が武器を持って戦うこと) があったという。投石、棍棒だけではすまず、銃に土砲(自家製大砲)まで飛び交う大合戦となった。

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2014年1月31日、広西チワン族自治区玉林市博白県鳳山鎮書房地村で、2000人が入り乱される械闘(宗族など二つの勢力が武器を持って戦うこと) があったという。投石、棍棒だけではすまず、銃に土砲(自家製大砲)まで飛び交う大合戦となった。

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2014年2月4日、ネット情報まとめサイト・中国ジャスミン革命が伝えた。

旧正月のこの日、●丁村(●=まだれに龍)廖氏一族は新年恒例の獅子舞行列を行った。村の家々を回り新年の挨拶をした後、行列は街へと向かったという。その行列が書房地村に差し掛かった時に事件が起こった。同村に住む劉氏一族が罵声を浴びせかけ、乱闘に。銃撃、砲撃が飛び交う大規模な械闘へと発展し、廖氏一族の山が3つ焼き払われた。玉林市から武装警察が派遣され、ようやく事態が沈静化したという。

この械闘の関連情報を中国のネットで調べてみたが、検閲されたのかほとんど情報がない。上述の情報もSNSなどで伝えられた情報をまとめたものであり、細部については定かではないが、劉氏サイド、廖氏サイドに立ったテキストが残っていたので、簡単にご紹介したい。

■劉氏一族から見た械闘

廖のやつらはまじ野蛮。新年のあいさつとかいってんだけどさ、大刀(なぎなたに似た刃物)を持ってきて、村の女や子ども、老人を追い回すの。村の人間にいきなり切りつけてくるわ、家を破壊するわ。自分たちの山に火を着けておいて、劉氏が焼き討ちした呼ばわり。人間性のかけらもないね。まるで日本鬼子がやってきたようだ!

んだんだ、旧正月から日本鬼子みたいに村に侵入してくるなんて畜生そのもの。早く地獄に落ちますよーに。

劉VS廖の戦争が始まった。1月31日のバトルでは1人死亡2人負傷。2月1日には近隣の村に住む劉一族に「戦闘準備を整えろ!」との指示が出回ったよ。廖の村を攻める準備をするのだ。

■廖氏サイドから見た械闘

例年通り新年の獅子舞行列をやっていたらね、書房地村の劉氏がいきなり罵声を浴びせかけてきた。こっちも反論したらいきなり銃撃。当たり前だけど戦いの準備なんかしてないわけで、廖氏はあわてて逃げ去ったよ。置いていった獅子舞の道具まで劉氏のやつらはご丁寧にぶっ壊していった。それどころかやつらは廖氏の山3つに火を放つわ、戦いに備えて村の入り口に大砲3基を用意するわと戦う気まんまん。

さすがに許せなくなった廖氏の若い衆が押し寄せていったよ。しばらくして県の対暴動警察がきたんだけど、あいつらは劉氏に肩入れしているわけ。でこりゃどうしようもないと廖氏側は帰りはじめたんだけど、人数が減ってチャンスと思ったのか、あいつらは村から繰り出してくるの。5人も銃に打たれて重傷になったよ。劉氏も一人が銃弾にあたって死んだ(因果応報!)らしいけど、自分たちの銃の流れ弾じゃないの。

そもそもさ、今回の械闘の本当の原因は劉氏の薄汚い野心にあるわけ。廖氏は500年以上前からこの地域に住んでいるんだけど、書房地村の劉氏は100年前に来た新参者。廖氏が住む●丁村と書房地村は距離も離れているから本当は喧嘩にならないはずなんだけど、あいつらはこのあたりの村に住む別の劉氏と連合してね、5万人の劉一族大連合軍を結成。1万人しかいない廖氏の土地を奪おうとしているの。

(*中国では移住してきた一族が勢力を広げるために、現地に住む同じ名字の一族と合併することがある。お互いの家系図を読み込んで、「**代前の**さんって、うちの家系図の**さんと同一人物じゃないすか?」「よっしゃそういうことにしよう」「「合併!」」という感じ)

この土匪さながらの行為はもう日本と一緒でしかない。ここはね、古来から廖氏の領土なんだ。中国軍の地図にもちゃんと●丁村廖氏の山って書いてあるのに。今や廖氏の中心人物たちは命をかけて「廖氏の領土の一体性」を守ろうと誓っているよ。神聖な領土を侵そうとするなら反撃あるのみ。こっちが滅びたとしても向こうにだって傷を負わしてやるってね。

◆筆者プロフィール:高口康太(たかぐち・こうた)

翻訳家、ライター。豊富な中国経験を活かし、海外の視点ではなく中国の論理を理解した上でその問題点を浮き上がらせることに定評がある。独自の切り口で中国と新興国を読むニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。

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