人民網日本語版 2020年9月19日(土) 19時20分
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中国外交部の汪文斌報道官は「TikTokが米国で『四方から囲い込まれ』たのは、政府が取引を迫る典型的なやり方だ」と述べた。写真は東京。
中国外交部の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官はこのほど、中国の動画共有アプリ「抖音」(TikTok、ティックトック)の米国事業の問題について述べた際、「TikTokが米国で『四方から囲い込まれ』たのは、政府が取引を迫る典型的なやり方だ」と述べた。確かに、「売却するか、会社をたたむか」と迫るのは、中国の特定の企業に理不尽な圧力をかける米国の覇権的な行動だ。米国の同盟国としての日本も、最近になって一部の議員と当局者が考えを巡らし、TikTokを制限するべきだと提起した。事態は一体どうなるのか。大勢のTikTokユーザーはどのような心境だろうか。中央テレビ網が伝えた。
■大人気のTikTok、日本のユーザーは1000万人
TikTokは2017年夏に日本に上陸し、日本のApp Store(アップストア)のアプリ総合ランキングで何度も1位になり、今では日本で最も人気のあるショート動画プラットフォームになっている。日本のユーザー数は約1000万人に上り、コンテンツの種類は中国の抖音とほぼ同じで、歌・ダンス、旅、グルメ、お笑いなどがあり、マーケティングの手法にはスターの参加、アルゴリズムによるプッシュ技術などがある。
TikTokは日本の若者の間で非常に流行しており、日本政府と一部の大企業が情報を発信し、PR活動を行い、若者と交流・コミュニケーションをするプラットフォームにもなっている。今年の夏には、日本の厚生労働省がTikTokと提携して、熱中症予防のショート動画を公開した。新型コロナウイルス感染症の流行中には、東京都の公式アカウントがTikTokでショート動画の形式による新型コロナの最新情報を発信し、都民にどうすれば感染を予防できるかを伝えた。このほか神奈川県、神戸市、埼玉県、広島県、大阪府もTikTokの公式アカウントを開設した。
TikTokで180万人のフォロワーがいる日本人の堀川悟さんはカメラに向かって、「TikTokは自分に対するみんなの見方を変えてくれた」と感想を述べた。「昔はコンプレックスがあったが、今ではTikTokでいろいろ面白い動画を投稿し、みんなの自分に対する見方も変わり、自分のことを面白いと言ってくれる」という。「もしもTikTokが日本で使用禁止になったらどうか」との質問に対しては、「精神的に大きなダメージになる」と答えた。
■今後の動向、日本はTikTokを制限するか
日本の現行の法律では、日本政府がTikTokを制限しようとしても、第1歩を踏み出すのが非常に難しい。日本の「個人情報の保護に関する法律」に基づき、企業に調査を発動する場合は、合理的な根拠がなければならない。消費者が情報を盗まれたと自ら申し出た場合を除いて、訴訟を提起した後でなければ調査を発動することはできない。たとえ消費者が訴訟を提起しても、直ちに関連のアプリケーションソフトを使用禁止にすることはできず、プロセスに基づいてまず警告を出し、速やかに改善するよう求めるという手順を踏まなければならない。
だが注意しなければならないのは、今年7月に、自民党のルール形成戦略議員連盟と複数の当局者が会議を開き、TikTokを含む中国のアプリケーションソフトが情報漏洩の問題を生じる可能性があるなどについて話し合ったことだ。会議の終了後、議員連盟は中国企業が提供するアプリケーションソフトの使用を制限するために、関連の法律制定を進めるよう9月に日本政府に求める提言を行うことを打ち出した。法律の専門家の分析では、「日本が一度関連の法律を可決すれば、日本政府の在日本中国企業の経済行動に対する干渉が大幅に増加するだろう」という。
■「空気を読め!」経済安保の思考が表舞台に
提言から最終的に法律になるまでには、長く厳しいプロセスを経なければならない。しかしはっきりとわかることは、日本の政治の世界に「経済安全保障」の思考が表舞台に登場するという流れが現れたことだ。今年7月、日本の閣議で決定された枠組みの中に、「経済安全保障」という言葉が初めて使用された。そして文脈は非常にはっきりしており、「共同の価値観を共有する国々と物資を融通する経済安全保障ルールの建設を推進していく」などとしている。こうした流れと思考は、TikTokを含む在日本中国企業の関心を引くに値する。
日本ではよく「空気を読む」と言われる。日本政府に動きがあると、はっきり言わなくとも、地方政府と大企業はその意味を推察し理解する。今はまだ法律によるTikTokへの制限措置はないが、ここ数カ月の間に埼玉県、神戸市、大阪府など複数の地方自治体が相次いでTikTokの公式アカウントを閉鎖した。政治レベルで密かに動き始める中、日本の若者は引き続きTikTokで楽しく動画を見たり投稿したりしており、まるで別の世界がそこにはあるかのようだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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