人民網日本語版 2020年9月29日(火) 7時50分
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日本では新型コロナウイルス感染症がいまだに効果的に抑制されていない。写真は東京。
日本では新型コロナウイルス感染症がいまだに効果的に抑制されていない。中国や東アジアの多くの国で行われている効果的な濃厚接触者の追跡や全国民を対象とした大規模な検査、外出時の健康コード利用といった措置は、さまざまな原因により、日本では実施が難しいとされている。
ワクチンの飛躍的進展はまだこれからという現在の状況の中、日本では、「新型コロナウイルスとの共存が、社会の新しい常態になる」という共通認識が形成されている。細部までこだわった設計を得意とする日本企業は、この流れに乗って、一連の日本式感染対策の「ハイテク」を打ち出している。
たとえば感染予防のための「非接触ボタン」が搭載されたエレベーターが挙げられる。
感染流行期間中、多くの人は、たとえばエレベーターで行き先の階のボタンを押したり、エレベーターの壁に寄りかかるといったこれまで普通にしていた「接触」に対し、異常なまでに敏感になった。中国の一部の都市の集合住宅などでは、エレベーターに爪楊枝やティッシュを置いて、手で直接ボタンに触れないようにしているところさえあった。
日立ビルシステムが開発した「非接触型エレベーター」は、エレベーターのセンサーに向かって手を上下させるだけで、エレベーターが上からまたは下から移動してきて、自分の行きたい階を告げればそこまで運んでくれる。エレベーターが正確に認識できないのではと心配する人は、対応するアプリを利用してエレベーターを呼び、行き先階を告げることもできる。日常的に利用している人なら、エレベーターが顔認証でその人を識別し、自動的にいつも降りる階まで運んでくれる。
細部までこだわる日本のエレベーター設計者は、ボタンと内部の壁に抗菌の金属素材を使用し、より安心して乗れるようにデザインしている。また停止中には、天井部分に取り付けられた殺菌灯が自動的に稼働して、エレベーダー内を消毒し、内部に設置されている換気装置もエレベーター内の空気を換気し続ける。
このほかに日本の感染対策「ハイテク」で面白いのは、抗菌効果があるとされる「銀イオン携帯電話保護フィルム」だ。
銀イオンは環境中の微生物を吸着する作用があり、微生物は銀イオンに吸着されると呼吸鎖酵素の活動が阻害されて不活化する。そのため銀イオンの殺菌力は非常に高いとされている。
あまり知られていないことだが、かつてのフィルム写真は「銀塩写真」と呼ばれ、銀塩(ハロゲン化銀)の粒子が感光剤になっていた。富士フイルムはかつて世界最大のフィルムメーカーだったこともあり、銀イオン関連商品の開発では豊富な経験を備えている。
感染流行期間中、富士フイルムはその情勢を受けて、「抗菌効果銀イオン携帯電話保護フィルム」や「抗菌効果銀イオンスプレー」を打ち出した。スマホに貼ったり、1回スプレーしておくだけで、抗菌効果が長時間持続するという。
日本企業はこうした感染症対策の「ハイテク」を日常生活に溶け込ませるとともに、中国市場へ売り出すことも計画している。
「非接触型エレベーター」はすでに上海のクリエイティブパークとオフィスビルで採用され、古いエレベーターに新機能を搭載するサービスも提供している。
日立ビルの責任者は、「中国市場が世界最大の市場であることに疑問の余地はなく、将来はより多くの最新の設計が中国で真っ先に打ち出されるようになる。私たちは中国の『新インフラ整備』がもたらす巨大な市場チャンスを非常に重視している。一線都市と沿海地域だけでなく、西部の都市の発展のポテンシャルも高く評価しており、たとえばこれから空港が2つになる成都市にとても注目している」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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