ジャッキー・チェン級のアクションスター、今後20年は現れない?

華流    2020年10月26日(月) 17時20分

拡大

中国が世界に誇るソフトパワーの一つともいえるカンフー映画、アクション映画の先細りを指摘する文章が23日、中国のSNS上に投稿された。

「中国映画」と聞いて「武術」を思い浮かべる日本人も少なくないと思われるが、中国が世界に誇るソフトパワーの一つともいえるカンフー映画、アクション映画の先細りを指摘する文章が23日、中国のSNS上に投稿された。業界が直面しているのは作品を支えるスターの高齢化、そして後継者不足だ。

ジャッキー・チェンを襲ったアクシデントでこんなコメントが

何十年も前から日本でもおなじみのジャッキー・チェン(成龍)は現在、66歳になっている。文章によると、最新作「急先鋒」の撮影中に「もう少しで溺れ死ぬところだった」というアクシデントに見舞われたことが原因で、関連の話題は先日、SNSのホットワードになった。そうした中で寄せられたのが「大哥(兄さん)とずっと呼んできたからまだまだ若いと思っていたけど、水中から救出されたあの時、本当に老けたと思った」というコメントだ。文章は「危険なアクションを自らこなすジャッキーの姿は感動と尊敬の念以外に、多くの人に共通の疑問を持たせているだろう」と述べ、それは「業界に次のアクションスターは現れるのだろうか」との問いだと指摘する。

ジャッキー以外の大物としてはジェット・リー(李連杰)、サモ・ハン(洪金宝)、ドニー・イェン(甄子丹)、ウー・ジン(呉京)、ヴィンセント・チャオ(趙文卓)の名が挙げられるが、その年齢はいずれも40歳を超えており、映画界では「高齢」に属するのだそう。この中で最も若いのは大ヒット作「戦狼 ウルフ・オブ・ウォー」(2017年)で知られる46歳のウー・ジンだ。

文章によると、中国のアクション映画の大部分は香港資本との提携で製作されている。一方、こうしたジャンルを大得意とする香港でも2010年以降は優れた作品をほとんど生んでいない。アクション俳優にとってこうした状況は世間に注目される機会に恵まれなくなって久しいと言えるのだろう。

▼上に行くための「近道」は「危険な道」

特別なバックグラウンドを持たない若者にとって、かつてはスタントマンになることが競争は激しいながらも「出世の道」とされた。アクション映画は上に上り詰める上での「近道」だが、それは「危険な道」とも言え、文章は「ジャッキーが病院に行った頻度から見ると、『名を上げた歴史』は『自分を傷つけた歴史』とも言える」と表現する。

文章によると、香港映画の発展黄金期にカンフー映画、アクション映画を撮ったことのないスターはほとんどおらず、さらに1980~90年代の香港映画界は「武術指導の聖地」でもあった。ただ、「アクションスター」は今、「アイドル」や「インフルエンサー」の陰に隠れてしまい、こうした中で「グリーン・デスティニー」に出演した女優チャン・ツィイー(章子怡)には「本土最後のアクション女優」との期待が寄せられているとの側面もあるそうだ。

2000年以降、年を重ねたスタントマンらが業界を去る動きが続き、香港のアクション映画も没落に向かい始めた。ドニー・イェン主演の「イップ・マン」シリーズが再びカンフー作品への注目を呼び起こすなどしたが、スタントマンの引退やアクションスターの年齢、製作数の減少などの問題で、かつての輝きを取り戻す術はなくなっているという。

▼今のスターはアクション映画に消極的?

現在の状況について「スターはけがをして撮影が止まるリスクを冒してまでアクションを学ぼうとは考えない。製作チームも撮影スケジュールが長引くことを望まない」と述べる文章は、若手の俳優に関しても「本当にバックグラウンドを持っていないという人は少なく、突き進んでいくという猛々しさに欠けている」と指摘。さらに、武術をこなせるということは一見「クール」に見えるが、努力に正比例する形で報われないことは日常茶飯事とも語る。

例えば、6歳で武術を始めたウー・ジンが大ヒットを経験したのは40代になってからで、文章は「少なくとも今後20年のうちに、次のアクションスターが現れることはないはずだ」という言葉で締めくくられている。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携