日本が米国追随で留学生制限、自らの首を絞めることに―中国専門家

Record China    2020年10月16日(金) 18時40分

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13日、環球時報は、日本の留学生制限は誰の利益にもならず、自分の首を絞めるだけとする文章を掲載した。写真は原宿。

2020年10月13日、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は、日本の留学生制限は誰の利益にもならず、自分の首を絞めるだけとする文章を掲載した。著者は中国社会科学院名誉学部委員で日本研究所研究員の馮昭奎(フォン・ジャオクイ)氏。

日本政府はこのほど、安全保障に関係する先端技術や情報が、留学生らを通じて中国などに流出しているとの懸念があるとし、来年度から留学生のビザ審査を厳格化する方針を固めた。馮氏はこの理由について3つを指摘した。

まず1つ目は「米国と歩調を合わせる」ため。馮氏は「米国は中国人留学生や研究者を対象としたビザ制限をすでに実施しており、英国でも同様の政策を実行する。こうした状況の中で日本が留学生ビザ審査を厳格化しなければ、大きな穴ができてしまうため、日本は躊躇(ちゅうちょ)することなくこの穴を埋め、米国に協力して中国に対してハイテク封じ込めを実行した」と説明。また、「新型コロナウイルス東京五輪問題、景気の悪化で、日本は米国など西側諸国の協力が必要であるほか、菅政権は来年に選挙を控えているため日本への政治的な影響力の大きい米国の助けが必要だった」と分析した。

2つ目の理由は「日米同盟重視という安倍政権の方針を継承し、新内閣は安倍前首相の忠実な後継者とのイメージを打ち出す」ため。馮氏は、「安倍前首相の任期はあと1年残っていたため、菅首相の任期は1年しかない。突発的なことが起きなければ来年10月には衆議院議員選挙となるが、連続在任最長を記録した安倍氏の影響力は非常に大きいため、派閥を持たない菅首相が首相の座を守るためには安倍氏に頼らざるを得ない」と論じた。

3つ目の理由は「中国と距離を取る」ため。馮氏は「近年、日中関係は好転していたが、新型コロナがまん延し、国際情勢が複雑となり、特に米国が中国への圧力を強めている中で、日米同盟を重視する日本政府としては、国の利益をいささか犠牲にするとしても対中関係において米国の後に続かざるを得ない」と分析。今回の留学生ビザ審査の厳格化は、「日本政府が米国に追随する点でいかに素早く行動するかを示した」としている。

その上で馮氏は、「2000年以降、日本へ留学する中国の大学生や大学院生は大幅に減少していたため、日本の大学は中国人留学生の呼び込みに力を入れていた」と指摘。「欧米と比べると日本の理系にはそれほど強みがなく、留学生問題においては中国が日本を求めるよりも日本が中国を求める傾向が強いため、日本による留学生制限措置は日本の被害の方が大きく、日中関係をも破壊することになる」とした。(翻訳・編集/山中)

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