グローバル企業の製品、中国ではリコール対象にならず=二重規範が不満を招く―中国メディア

Record China    2014年3月4日(火) 5時30分

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28日、洗濯乾燥機に発火の恐れがあるとして、東芝ホームアプライアンス株式会社はこのほど、問題となった製品のリコールを全世界で実施することを発表した。写真は中国の東芝広告。

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2014年2月28日、洗濯乾燥機に発火の恐れがあるとして、東芝ホームアプライアンス株式会社はこのほど、問題となった製品のリコールを全世界で実施することを発表した。これまでのやり方と同様、このリコールは中国市場を対象外とした。経済参考報が伝えた。

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東芝を含む各グローバル企業の問題製品の世界的なリコールは、中国市場をわざと見落としているが、これにはどのような原因があるのだろうか?専門家は、「この現象の裏側には、関連法や製品基準の不備といった問題がある。法律を整え、国家強制性基準の制定が焦眉の急となっている」と指摘した。

◆東芝の問題製品、中国市場は対象外

東芝ホームアプライアンスはこのほど、2005年7月から2011年11月に生産された30機種、計58万3000台以上の洗濯機の無償修理・点検を実施すると発表した。これは、縦型の洗濯乾燥機が発火事故を起こしたためだ。東芝の分析によると、洗濯機内部の配線が運転中の振動で断線し、火花が発生し発火したという。

また東芝の発表によると、中国市場は今回のリコールの対象外となる。東芝が今回リコールを発表した製品は生産期間が長く、品質面のリスクが存在する製品が中国市場で販売されている。

一部の統計データによると、東芝は2008年から現在まで、品質面の不備が存在するパソコン、テレビ、洗濯機、携帯電話などの製品の全世界でのリコールを実施しているが、いずれも中国市場を対象外とした。

◆中国市場、リコールの「真空地帯」に

東芝だけではなく、シャープ、トヨタ、ジョンソン・アンド・ジョンソン、イケアなどのグローバル企業は、中国の国内外の品質管理で「ダブルスタンダード」を設定しており、問題製品のリコールは一つの例外もなく中国を対象外としている。

シャープは2010年に、米国で販売されていたLC-32SB 28UTシリーズの32インチ液晶テレビのリコールを発表し、その数は約9000台に達したが、中国市場は含まれなかった。中国人消費者は問題に気づいても、部品を交換するしかなかった。

一部の車種にガソリン漏れのリスクがあるため、トヨタは2011年に世界で約170万台の自動車のリコールを発表した。これには日本市場の120万台と海外市場の42万台が含まれ、主に日本、米国、英国、ドイツなどの市場を対象としたが、中国本土は含まれなかった。

イケアは2012年に、全世界で中国製のランプのリコールを実施すると発表し、9万7000個がその対象となり、そのうち北米地区で約5000個が回収された。その主因は接地の不備で、消費者が感電する可能性があるとされたが、中国は対象外となった。

なぜ中国市場が常に対象外になるのかという疑問に対して、グローバル企業の回答はほぼ一致している。リコール製品のロットナンバーに中国販売分が含まれない、もしくは中国で販売されている製品のすべてが中国の国家基準に合致しているというのだ。

グローバル企業の「消費差別」行為に対して、中国の消費者はこれを批判すると同時に反省を進めている。あるネットユーザーは、「なぜグローバル企業の先進国市場におけるリコールの頻度が中国市場を大幅に上回るのだろうか、まさか中国向けに販売されている商品の方が品質が優れているというのだろうか?それともこれらの企業が国内法の不備を突いているのだろうか?」と疑問を呈した。

◆差別行為には厳罰を

東芝が再び世界で大規模なリコールを実施しながら、中国市場を無視したという情報が伝わると、メディアと市民の注目を集めた。グローバル企業の「ダブルスタンダード」に対する批判の他に、中国のリコール制度と品質体制の制定を疑問視する声があがった。

重慶市消費者権益保護委員会クレーム部の喩軍(ユー・ジュン)氏は、「製品リコール制度は各国で成熟化しており、多くの西側諸国ではすべての製品に対して非常に細やかな基準が制定されており、法律で定められている。自動車を例とすると、米国、ドイツ、日本などの国では、エアバッグ、タイヤ、ブレーキなどの部品に対して、詳細で具体的な基準が制定されている。中国の現在のリコール制度は、自動車、児童用玩具、食品、薬品などに留まっており、その他の多くの日常生活に密接に関連している製品の場合、関連法はほぼ空白と言って良い状況だ」と指摘した。

法律の「空白」の他に、既存の国家基準も国際基準に大きく遅れをとっている。重慶大学経済・管理学院教授の廖成林(リャオ・チョンリン)氏は、「中国の各製品の国家基準は長年にわたり更新されておらず、国際基準に大きく遅れをとっている。これにより国際基準に合わない製品が中国の国家基準に合うという現象が生じており、外資系企業がリコールの際に中国市場を回避できるようになっている」と語った。

廖氏は、「携帯電話の電池を例とすると、中国は昨年まで20年前に制定された品質基準を施行していた。現在の携帯電話は何度も更新されており、電池の材料も完全に異なっているにも関わらず、時代遅れの基準を適用していた。電池の爆発や発火による事故が多発してから、国家はようやくこの業界基準の更新に着手した」と指摘した。

廖氏は、「中国の欠陥製品のリコールに関する規定は、中国国務院により議決された関連条例であることが一般的で、法的拘束力を持つが厳格な意義での法律ではない。一方で米国の十数件の法案は製品リコール制度と関連しており、リコールの詳細な内容について厳格な規定を設けている。しかし中国には、全国的な法律と規定が存在しない」と話し、次のように提案した。

リコール制度に関する法制度を完備化し、リコール対象となる製品の範囲を拡大し、分類管理を進めることで、リコール手続きのより詳細かつ厳格な規定を設定し、操作性と効率を高める。またリコール制度を着実に実施するため、政府は人と物の支援を拡大し、審査や市場サンプリング調査などを増加し、グローバル企業のリコール差別行為を厳罰に処する。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/武藤)

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