上海のグランドに響く関西弁!日本人監督が中国サッカー選手の養成ミッションに挑む

フライメディア    2020年10月21日(水) 14時40分

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「そこは行かんと!」グラウンドにひときわ大きな関西弁が響く。言葉だけ聞いていると日本で選手が練習しているのかと思うが、そこは上海。

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「そこは行かんと!」グラウンドにひときわ大きな関西弁が響く。言葉だけ聞いていると日本で選手が練習しているのかと思うが、そこは上海

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険しい表情で熱血指導をしているのは清水和男監督(45歳)。清水監督は、一般社団法人セレッソ大阪スポーツクラブ所属のベテラン指導者だ。自身も選手としてのプレイ経験があり、その後、U18コーチやU15監督を歴任して、その豊富な経験や実践的な指導力から、中国のスーパーリーグ・上海上港集団足球倶楽部(上海上港/ Shanghai SIPG Football Club /2005年成立)の若手選手指導のため派遣された。

今年で3年目を迎える清水監督は現在、上海上港U17の監督としてチームを指導している。

今回は、「スポーツの秋」にちなんで、上海のサッカークラブで奮闘する清水監督をたずねた。

上海上港は、上海の郊外、「上海東方緑舟体育訓練基地」にある。この訓練基地は、国家級スポーツ選手の養成所にもなっていて、寮、食堂やジムといった設備もある。

基地内では、サッカーのほかにバスケットボール、バレーボール、バトミントンや卓球などさまざまな競技の選手が共同生活をしている。この基地から、上海の代表選手はもとより、国際大会やオリンピックのメダリストが輩出されている。エリート選手を養成する基地とも言える。

さて、この訓練基地だが、国が力をいれていることをヒシヒシと感じるスポーツ施設で、サッカーグラウンドも7面以上あり、ナイター設備も備える。まさにサッカー漬けの生活ができる環境だが、就学年齢の選手には、もちろん教科学習があり、敷地内の教室で学ぶ。

清水監督が指導するチームも、基本的に午前中に授業があり、午後から練習。1日の練習は約1.5時間だと言う。「サッカーの試合も90分。感覚をちかいものにするため。だらだら長くやっても効果が出ない」と説明してくれたのは、清水監督をサポートするコーチの一人。

チームメンバーは現在約28名。清水監督と共にチームを指導するスタッフ(コーチ含む)は5名で、通訳1名を加えた6名が清水監督をサポートする。

文化や習慣、教育的背景も異なる現地の選手を指導することについて、清水監督は「サッカーを指導するという点では、何も変わらない。言葉の壁はあるが、これまでの指導経験からコツをつかんでいるので、上手くコミュニケーションをとり、選手たちにも意図はしっかり伝わっていると思う」と話す。選手一人ひとりと定期的に面談も行い、技術面だけではなく、メンタル面のケアも欠かさない。

選手たちと同じ敷地内で生活し、練習や試合を積み重ねることで、「監督の性格や指導の仕方は、みんなもう充分熟知している」とコーチが言うように、練習が終わると、選手やコーチは、“厳しさ”が消えた清水監督と、気さくに雑談する。

若手選手の印象について、「とても素直。もう少し自分で考え、プレイを組み立てていけると良い」と語る清水監督。

現在の目標は、トップチームにあがれるような優秀な選手を多く育て、チーム全体のレベルを上げること。

もちろん、目標達成にはまだまだ課題が多いとするも、今年8月に教え子の賈博琰選手が中国スーパーリーグのトップチームにデビューという嬉しいニュースもあり、練習にもいっそう熱が入る。

「大きな大会だったら、1本のシュートが、1本のパスが、“人生”を決めることもある」、若い選手に熱く語った清水監督の言葉が印象的だ。(提供/フライメディア)

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