バッテリー交換ステーション、自動車業界の新たな競争の舞台に―中国メディア

人民網日本語版    2020年10月22日(木) 10時50分

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各自動車メーカーがバッテリー資産管理公司を次々と設立し、車とバッテリーの分離を次第に実現している。

1台の新エネ車がゆっくりバッテリー交換ステーションに入った。そして車が持ち上がり、バッテリーが外され、充電済みのバッテリーが速やかに底部に移動され、交換が完了した。30秒足らずで一気によどみなく行われた。これは筆者が9日、重慶オリンピックスポーツセンターの長安新エネバッテリー交換ステーションで目にした光景だ。

長安新エネバッテリー交換プロジェクトの責任者は「30秒で急速バッテリー交換を行うのは業界内でもトップレベルだ。ここは主に高頻度・高負荷のタクシーやオンライン配車を対象とする。電気自動車(EV)の充電が遅いという弱点を解消しただけでなく、ガソリンやガスの注入よりもずっと速い」と述べた。

これと同時に、各自動車メーカーがバッテリー資産管理公司を次々と設立し、車とバッテリーの分離を次第に実現している。筆者の調査によると、多くの企業が本格的に取り組んでおり、標準的なパックを作り「バッテリーバンク」に預けている。バッテリー交換サービス業者はそこからバッテリーを借り、バッテリー交換サービスに用いる。

新エネバッテリー交換ステーションの競争は、実際にはもはや従来の自動車メーカーの「独り芝居」ではなくなっている。自動車製造の新勢力、バッテリー企業なども相次いでこの「激戦」に参入している。

力帆汽車は2015年にいち早く初の集中型エネルギーステーション「移峰エネルギーステーション」の使用を正式に開始した。「ケース別」バッテリー交換技術を採用し、ロボットの補助を受け新エネ車のバッテリーを3分で交換できるようにした。1日あたり2000台の新エネ車のバッテリー交換が可能だ。

自動車製造の新勢力のトップ企業としての蔚来汽車は昨年末、重慶市で同社の国内最大のスーパー充電ステーションを設置してから、このほどバッテリー資産管理公司の設立を計画するとともに、車・バッテリー分離バッテリー貸出プラン「BaaS」を打ち出した。同社の創業者である李斌(リー・ビン)氏は同プランを、EV普及時代の鍵としてとらえている。

■バッテリー交換モデルの推進、多方面の協力が必要

複数の地域は現在、バッテリー交換ステーションの建設を支援している。重慶市を例にすると、2020年に中心市街地で原則的に、サービス半径1キロメートル毎に公共充電・バッテリー交換ステーションを1軒提供し、累計で30軒以上建設することになっている。その他の各区・県(自治県)の市街地では少なくとも1軒建設する。すべての重点観光スポットでは少なくとも1−2軒建設する。安全条件が備わっているガソリンスタンド、ガス充填ステーション、高速道路サービスエリアなどで充電・バッテリー交換施設のフルカバーを実現する。

業界関係者は一般的に、「充電よりもバッテリー交換モデルの方が将来性が高い。しかし同モデルの推進は一社か数社で実現できるわけではなく、自動車メーカー、動力バッテリーサプライヤー、バッテリー交換ステーションの事業者など多方面の協力が必要だ」としている。

中国自動車動力バッテリー産業革新連盟の王子冬(ワン・ズードン)副事務局長は取材に、「『バッテリーバンク』の商品は流通しなければならない。誰でも使えるものでなければ『バンク』とは言えない。業界内では現在、共有バッテリー交換ステーション関連の基準と実行可能性プランについて検討中で、3−5種のバッテリーパックを推薦し市場に投入する可能性がある。一定期間の実際の使用により、市場に自由に選択してもらう」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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