Record China 2014年3月13日(木) 7時13分
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10年前、中国の男の子はださかった。ハンサムなのに中年のおじさんファッション。今では全身コーディネートされているおしゃれでかっこいい子に変化していた。この10年でなぜ、そんなにおしゃれになったのか?
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3年前の旧正月前、「春運」と呼ばれる中国人の大移動時期、私は朝3時半から北京駅の切符売場で並び、発売開始の9時を待っていた。この春運の時期、汽車の切符を買うのは至難の業。私の周りは西安や武漢行きの切符を狙っている男子大学生ばかりだった。彼女と来ている子もちらほらいたが、ほとんどが友達と一緒に来ていた。並んでいるだけなので、暇。雑談をしながら、彼らの服装を無意識のうちにチェックしていた。
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「中国人の男の子、かっこよくなったなあ!靴やかばん、マフラーもきちんとコーディネートされていて、おしゃれになった」と感動。雑誌に出てくるコーディネートを参考にしているみたいに全身、決まっている。正直言って10年前の中国の男の子は超がつくほどださかった。ハンサムなのに髪型は微妙、服は茶色や黒など暗い色でしかも幾何学模様付きのセーター、変な折り山がついたパンツをはいている子が珍しくなかった。若者なのに、服装は中年のおじさんだった。それが、いつのまにか、中国の男の子はおしゃれになっていた。
2013年12月成都のユースホステルのドミトリーに泊まっていた。そこは長期滞在の中国人の男の子が数人いる部屋だった。最近は転職の合間に長期旅行をする中国人の若者が増えているが、その部屋の中国人の男の子もまさにそうだった。ユニクロ風の定番さわやかコーディネートの子から、くりくりパーマの髪型に似合うモデル風?のファッションの子もいる。みんな、本当にかっこいい。しかも部屋の男の子たちはドライヤーを持ってきていて、シャワーのあとは髪型もちゃんと整える。ドライヤーなんて必要なさそうな髪型の男の子もドライヤー持参。10年前ならごく普通だった、中年のおじさんのような服を着ている子は今では、まわりがおしゃれになったので浮き上がってしまうほどだ。
わずか10年弱でこんなにも中国の男の子の服装が大きく変わった訳はなんだろう?中国の男性も認めているけれど、中国の女性は強い。その強い女にもてるためには、もっと強い男になる必要があった。みかけだけでも。すると、服装が香港映画に出てくる裏社会のやくざ風の男の子も少なからずいた。強い男を目指していても、今はそんなやくざ風の服装の男の子はいない。女の子にもてる男の子のタイプが変わってきたのだろうか?豊かな時代に生まれ、一人っ子政策のため、お小遣いも十分もらえる。服装にも気を遣う余裕ができた。見た目がおしゃれでないと今時のやはり豊かな時代しか知らない女の子にもてないのだろう。ただ、中国の女性は「最近の中国の男性は女みたいになった」とよく言う。それも言えている。
■筆者プロフィール:浜井幸子(はまい・さちこ)
1966年神戸市生まれ。19才の時、初めての海外旅行で行った中国の魅力にはまり、90年代の中国をバックパック旅行する。その後、中国やアジアの食を中心に書くライターとして活動中。著書に「中国おもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」など。
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