日系企業の見る輸入博、中国の世界製造センターの地位は安定―中国メディア

人民網日本語版    2020年11月7日(土) 14時20分

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第3回中国国際輸入博覧会は4日夜に開幕式が行われた。6日間の会期中、世界各地の2600社を超える企業が国家コンベンションセンターに集まり、数多くの新製品、新技術、新サービスを披露する。

第3回中国国際輸入博覧会(CIIE2020、輸入博)は4日夜に開幕式が行われた。6日間の会期中、世界各地の2600社を超える企業が国家コンベンションセンター(上海)に集まり、数多くの新製品、新技術、新サービスを披露する。今回は日本の企業も積極的に出展する。日系企業の目に映る輸入博はどのようなものか。なぜ毎年参加するのだろうか。

三菱:輸入博は開放的貿易環境を作ろうとする中国の決意を体現

世界トップ500社に入る企業である三菱電機は、今年で連続3回目の出展であり、今後3回連続での出展契約もすでに結んでいる。

同社の富澤克行執行役員・中国総代表は、「第3回輸入博の開催は中国が開放的市場政策を推進する中で開放的な貿易環境の構築をさらに進める決意であることを十分に体現するものだ。中国政府は今年初めより5Gネットワークやデータセンターなどの新インフラの建設ペースを加速させる必要があると強調するようになり、こうした戦略がスムーズに実施されれば世界経済の安定装置になり、新たな成長の原動力を提供することになる」と述べた。

また富澤氏は、「中国が新型コロナウイルス感染症を効果的に抑制したおかげで、三菱電機の事業活動も急速に正常な状態に戻り、最近は中国市場で2けたの伸びを達成し、当社は心から感謝している。今回の輸入博の開催は中国が開放的市場政策を推進する中で開放的な貿易環境の構築をさらに進める決意であることを十分に体現するものであり、私たちのような外資系企業にとって貴重な機会であり、重大な意義がある」と述べた。

キヤノン:中国健康産業が巨大な市場チャンスもたらす

ここ数年、「健康中国2030」をはじめとする国の政策の指導の下、中国は健康産業の発展を優先的に発展させる戦略の首位に置き、これにより医療機器市場に非常に大きな成長のチャンスをもたらした。公開された情報によると、現在の中国の医療機器市場は20%前後の年平均成長率を保ち、売上高も純利益も急成長を続け、医療機器産業の発展の黄金期にあるといえる。2022年には中国医療機器市場の規模は9000億元(約14兆1434億円)を超える見込みだ。

キヤノンの小澤秀樹副社長執行役員は、「この重大なチャンスはキヤノンの医療事業にとって非常に重要だ。キヤノンはより多くの優れた技術や製品、サービスを通じて、中国の大規模な健康産業の発展にふさわしい貢献をしているところでもある」と述べた。

小澤氏によると、「中国は目下、国内の大きな循環を主体としつつ、国内と国外の2つの循環が相互に作用し合う新たな発展局面の構築を加速させている。こうした過程で、中国国内の大きな循環の主体的な地位を強化することは、中国市場の巨大なポテンシャルをよりしっかりと発掘することにもなり、また外資系企業により多くの『中国のチャンス』をもたらし、より多くの海外企業の投資、先端の製品、先端の技術の輸入を誘致することにもなる。これと同時に、2つの循環の新たな発展局面の構築は外資系企業の参加と切り離せないものでもある。2つの循環の新たな発展局面の最終的な目標は、中国経済の質の高い発展を実現することであり、こうした過程の中でより質の高い海外企業の投資、技術、人材などの資源を誘致してその実現を推進することが自ずと必要になる。そのため、中国が目下、質の高い対外開放の取り組みを強化していることは、キヤノンをはじめとする外資系企業にとって長期的な好材料になる」という。

東芝:ポストコロナ時代の世界経済発展には中国市場の牽引が必要

人件費の上昇にともなって、将来、中国の「世界の製造センター」の地位が他の国に取って代わられてしまうのだろうか。

東芝の宮崎洋一中国総代表は、「そうは思わない」とした上で、「多くの国の共通認識はチャイナプラスワンだ。どの国も国家戦略という点から考えると、あらゆる期待をどこか1つの特定の国に託してしまうのは、経営の視点から見るとリスクがあるが、中国は必ず選ばれる」と述べた。

宮崎氏は、「多国籍企業にとっては、どこかの地域のサプライチェーンに問題が起これば、このチェーンの製品の供給が断たれ、別の地域で戦略的なバックアップを行うことになる。日本のメーカーなら、リスク回避のために中国ともう1つ別の国を選ぶことになる。例えばベトナム、ミャンマー、バングラデシュなどの国だ。しかし中国は不要だと言い、中国以外の国だけに頼ることは不可能だ。米国のメーカーなら中国とメキシコを選択するだろう。これが穏当で安全な選択だからだ。しかし中国の地位が他国に完全に取って代わられることは、あまり可能性はないだろう」と述べた。

また宮崎氏は、「現在、グローバル経済は引き続き感染症に苦しめられている。中国は世界の主要国の中で一番最初に新型コロナの影響から抜け出し、一番最初に回復への道を踏み出した。世界経済の発展はこれから相当長い間、中国市場によって牽引されることになるだろう」と述べた。

花王:ポストコロナ時代、中国の消費者にソリューションを提供する

花王の広報部の吉野日和子課長は輸入博のもたらす効果を極めて高く評価し、「輸入博は市場開放を積極的に進める中国の重要な動きを世界に示すものであり、世界的な一大イベントであり、世界各国の注目を集めている。花王は過去2回の輸入博に出展して、非常に大きな成果を得た。中国は輸入博に非常に大きな支援を与え、出展する企業もますます増えている」と述べた。

吉野氏は、「今年は新型コロナが世界で猛威を振るったが、中国は極めて力強い措置を通じて感染症を効果的に抑制し、国民経済は秩序よく回復し、安定さの中で上昇した。花王が属する日用消費財業界もこうした日々拡大する消費ニーズと活力を感じ取っている」と述べた。

また吉野氏は、「感染症は人々の日常の暮らしに非常に大きな影響を与え、人々は『ポストコロナ』時代の暮らしの中で衛生により注意するようになるだろう。『ポストコロナ』時代の暮らしに向けて、花王は一連のソリューションを提供し、これが中国の消費者への参考になることを期待する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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