中国人「正真正銘の一人者」は7700万人で今も急増中、経済にも影響―中国メディア

Record China    2020年11月13日(金) 19時0分

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中国では独居状態の独身者は7700万人を越えてさらに急増中。このような人向けの新商品の開発や販売が活気を見せている。

中国では11月11日が「光棍節(グアングンジエ、独身の日)」とされている。ネット通販各社が年最大の販売キャンペーンを行う日として注目されているが、元は南京大学の男子学生が1990年代に、同様の境遇にある若い男女を集めてイベントを実施したことが発端とされている。中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)は同日、中国では一人暮らしの成人が増えており、商品販売にも影響を与えていると紹介する記事を掲載した。

記事はまず、中国政府民政部のまとめとして、中国の独身成人は2018年時点で2億4000万人にまで増えたと紹介。うち7700万人は「独居状態」という。すなわち結婚はしていないが両親などと同居していたり、配偶者とは死別あるいは離婚したが子などとは一緒に暮らしているなどのケースを除いた、「正真正銘の一人者」の人口だ。独居成人は2021年には9200万人にまで急増する見込みという。

CCTVの調査によると、中国人の「感情面における幸福感」について、最も幸せと感じているのは「恋人はいるが結婚はしていない人」で、45.62%だった。その次は既婚者で44.16%。幸せを最も感じていない人は「一人者」で43.96%だったという。

記事は、「一人者」の増加に伴い、新商品や新サービスが開発されていると紹介。まずは「ひとり飯」についてだ。飲食店ならば「半分の量の料理」、器材だったら「一人用食器セット」や「ミニ鍋」、食材などだったら「米500グラム」や「200ミリリットル入りワイン」などが用意されている。

中華料理と言えば、丸テーブルを複数人で囲んで大皿の料理を分けて食べる方法が「王道」だったはずだが、CCTVは飲食店内の窓沿いに設けられた細長いテーブルに向かって若い人がそれぞれ座り、食事をしている様子も紹介した。中には、スマホを操作している人もいる。

家電業界も「一人者」向け商品の開発に余念がない。小型の果汁絞り器、小型のアイロン、最大容量2.5キロまでの洗濯機などだ。種類がどんどん豊富になっているという。多くのネット通販プラットフォームでは、一人用炊飯器や小型冷蔵庫で、1カ月当たりの売り上げが1万台を超える商品が登場している。

「一人者」の好みの特徴は、物質面だけでない。自分自身について「よい外観と心の豊かさ」を目指す共通認識があり、フィットネスや旅行、化粧品、ペット、ビジネス関連教育などの業界が活気を見せているという。

北京大学経済・人類発展研究センターの張春暁研究員は、「一人者」グループで重要なのは一部のホワイトカラー層やエリート層と説明。生産者、さらに流通業者はなおさらのこと、これらのグループに提供する衣食住や移動手段、娯楽、教育などについてターゲットを細分して、それぞれに特化した商品やサービスの提供者になる必要があるとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人

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