Record China 2020年11月18日(水) 9時40分
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言論NPOと中国国際出版集団は第16回日中共同世論調査結果を発表した。相手国の印象が「良くない」「どちらかと言えば良くない」との回答は、日本人が89.7%で昨年の調査から5ポイント増えた。資料写真。
2020年11月17日、言論NPO(工藤泰志代表)と中国国際出版集団は第16回日中共同世論調査結果を発表した。相手国の印象が「良くない」「どちらかと言えば良くない」との回答は、日本人が89.7%で昨年の調査から5ポイント増えた。中国人は同0.9ポイント増の52.9%で、半数近くが「良い」と答えた。
調査結果によると、日本人の中国に対する印象は、尖閣諸島を巡る対立で悪化した2014年の調査から、徐々に改善していたが、一転して悪化した。日本人がこの一年で中国への印象を悪化させたのは、中国が南シナ海や尖閣諸島周辺で展開している行動や、軍事力の増強などが理由。中国人の対日印象が「良くない」理由は、「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」が最多だった。
「軍事的な脅威を感じる国があるか」との質問に対し、中国人は半数以上が「ある」と回答し、昨年から約10ポイント増加、その8割以上が「米国」と名指しした。一方で、「日本」を軍事的脅威の国だとする中国人は5割を下回り、昨年から30ポイント近く減少した。
また、東アジアで紛争や衝突が起こり得る切迫した状況かとの質問に対し、中国人では「そう思わない」との回答が、「そう思う」を上回った。中国人が最も危険な東アジア地域として回答したのは「台湾海峡」が35%以上で断トツ。「南シナ海」、「朝鮮半島」が続いた。今回の調査では、中国人の大半が「日中関係は重要」と考え、日本との新しい協力関係確立を期待していることが分かった。
米中対立問題では、「米中どちらにもつかず、世界の協力発展に努力すべきだ」との日本人が約6割に達した。日中協力の在り方について約4割の日本人が、「米中対立の影響を最小限に管理して日中間の協力を促進すべきだ」と回答し、「米中対立とは無関係に日中の協力を発展させるべきだ」を加えると、日本人の大半が、米中対立の中でも日中協力を進めるべきだと回答した。「米国との関係を重視すべきだ」は約2割にとどまった。
また、9割近くの中国人は米中対立の原因が米国にあると見ており、半数近くの中国人が米中対立は長期化し、「新冷戦」状況にまで悪化すると見ていることが明らかになった。
これに対して日本人では、「米中対立の原因が米国にある」と見る人は約4%に過ぎず、大半は「米中双方が原因」と見ていることが分かった。
この調査は、言論NPOと中国の国際出版集団が2005年から16年間継続して毎年共同で実施している。日本側の世論調査は全国の18歳以上の男女を対象に9月12日から10月4日にかけて訪問留置回収法により実施され、有効回収標本数は1000。中国側の世論調査は北京・上海・広州・成都・瀋陽・武漢・南京・西安・青島・鄭州の10都市で18歳以上の男女を対象に、9月15日から10月16日にかけて調査員による面接聴取法により実施され、有効回収標本は1571だった。(八牧浩行)
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