Record China 2020年11月20日(金) 0時20分
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中国メディアの澎湃新聞は18日、救急車の中で撮影された動画がネットユーザーの間で物議を醸したことを紹介した。
その動画とは、中国河南省の医師らが搬送される患者のそばでバナナを食べている様子を撮影したもの。見た人からは「救急車を降りるまで待てなかったのだろうか」「処置に支障が出るということは?」といった批判や懸念の声が上がる一方、「(食事を取る)時間があれば救急車の中でもバナナを食べたりするだろう」「医師や看護師は食事をする必要がないとでも言うのか」という擁護の声も聞かれたそうだ。
この件で取材を受けた当事者の李建朝(リー・ジエンチャオ)医師(阜外華中心血管病医院、河南省人民医院心臓中心体外循環科副主任)は、その時の患者が危険な状態を脱してECMO(エクモ。体外式膜型人工肺)を必要としなくなっていたことを報告した上で、「今回の搬送は遠方の病院からの緊急要請だった」と説明。李医師によると、急性心筋梗塞の患者に心停止が起きたが、患者の地元の病院には治療のための十分な条件が整っておらず、電話で要請を受けて片道210キロという距離にある現場に2時間余りかけて到着し、そこで患者へのECMO装着などの処置に再び約2時間を費やした。病院に戻る際には全員が体力を消耗し、空腹を抱えていたが、停車して食事を取ることは不可能だったため途中にあったスーパーでバナナとパン、水を急ぎ買い求めたそうだ。当時、患者の容体は落ち着いていたが、「それでも常に状況をチェックしていた」と李医師は話している。
一方、患者の息子も「病院に戻る途中にバナナを食べるのは何でもないこと。当時、私も車内で付き添っていました」と話し、「医療スタッフの皆さんは午前中に駆け付けてくれ、水も飲まず、さらに車内ではずっと父のデータについて説明してくれました。そして病院に戻ると手術です」「医療スタッフの皆さんのことを誤解しないでほしい。父の命の恩人なのです」と感謝の気持ちを語っている。(翻訳・編集/野谷)
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