韓国・法相と検事総長の対立、両者辞任で決着のシナリオ浮上、先行きは不透明

Record China    2020年12月6日(日) 10時40分

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韓国の政界を揺るがしている法相と検事総長の対立で、両者の辞任で決着を目指すシナリオが文在寅政権内で浮上。「首相が同時辞任の必要性に言及」と報じられたが、先行きは不透明だ。

韓国の政界を揺るがしている秋美愛法相と尹錫悦検事総長の対立をめぐり、両者の辞任で決着を目指すシナリオが文在寅政権内で浮上している。聯合ニュースなどは「丁世均首相が文大統領との会合で同時辞任の必要性に言及した」と報じたが、前代未聞の対立劇の先行きは不透明だ。

政権与党や閣僚の不正に切り込む捜査を続ける尹検事総長について、秋法相は11月24日、「政治的中立に関する検事総長の威厳と信頼が損なわれた。これ以上の職務遂行は許されない」と発表。職務停止を命じるとともに、解任を念頭に懲戒処分を請求した。その根拠としてはチョ・グク前法相の職権乱用など主要事件を担当する判事の政治的傾向の情報を収集したことなど六つの「罪状」を挙げた。

これに対し、尹検事総長は直ちに職務停止命令の執行停止を申し立て、ソウル行政裁判所は1日、尹氏の申し立てを認めた。職務排除が「検察の中立性保障のため総長の任期を2年と定めた法律の趣旨を無視するもの」などが理由だった。主に外部の有識者で構成される法務省の監察委員会も同日、緊急会議を開いて、「尹検事総長に対する懲戒請求と職務停止、捜査依頼は不適正」「重大な手続き上の欠陥がある」と議決した。

現職の検事も大半が尹検事総長の応援に回った。朝鮮日報によると、全国59検察庁のすべての検事と検事長・高等検察庁長はもちろん、検事総長代行が「法治破壊」「検察を権力の侍女にするもの」と反発して立ち上がった。これに秋法相を補佐する法務省の次官と課長たちも加勢した。

こうした中、聯合ニュースは「丁首相が11月30日に尹検事総長の懲戒問題などについて文大統領と意見交換した際、懲戒問題が国政運営の大きな負担になっていると懸念を示した上で、懲戒の手続きと関係なく尹氏が職務を遂行できない状態を自ら招いただけに辞任は避けられない状況だと述べた」と報道。丁首相は秋法相の去就には触れなかったとされるが、聯合ニュースは「国政運営の負担に言及したことは対立が深まっている現状況に終止符を打つために同時辞任が避けられないというメッセージではないかとの見方が出ている」と伝えた。

ハンギョレ新聞はさらに踏み込んで「対立する法相と検事総長の双方辞任を建議」と報じた。大統領府関係者は「そうした趣旨の話を丁首相がしたのは事実だ」と確認。首相室関係者も「首相は検事総長が自ら辞任するのが望ましく、そうなれば秋法相も辞任すべきではないかという趣旨の発言をした」と語ったという。

文大統領の反応は不明だが、尹検事総長はあくまで徹底抗戦の構えを崩していない。韓国の憲政史上初の異常事態が落ち着くまでには、まだ一山も二山もありそうだ。(編集/日向)

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