豪州産ワインでさらに緊張する豪中関係、台湾が豪州を支持するのはなぜか―米華字メディア

Record China    2020年12月7日(月) 8時30分

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多維新聞は3日、中国政府がこのほど始めた豪州産ワインに対する反ダンピング措置が豪中関係のさらなる緊張を呼ぶ中、豪州を支持する台湾にはいくつかの狙いがあるとする記事を掲載した。写真はワイン。

米華字メディアの多維新聞は3日、中国政府がこのほど始めた豪州産ワインに対する反ダンピング措置が豪中関係のさらなる緊張を呼ぶ中、豪州を支持する台湾にはいくつかの狙いがあるとする記事を掲載した。

記事はまず、豪州産ワインへの反ダンピング措置は、豪州が今年4月に新型コロナウイルスの起源に関する独立調査を求めたことと関係があるとみられていると説明。「これを不満とする北京は経済制裁で『報復』しているようだ」と述べ、豪州産の牛肉や大麦への措置に言及した他、モリソン豪首相が謝罪を求めた中国外交部報道官の画像投稿問題にも触れた上で、「豪中関係が冷え込む中、豪州の『民主的パートナー』の台湾は道のりの遠さをものともせずに豪州に温もりを送ってきた」と紹介した。

記事によると、台湾の蔡英文総統は2日、圧力に直面した豪州への共感を表明し、「台湾政府は最も適切な方法で支持し、豪州の人々に台湾の温かさを感じてもらう」と語った。外交部もこの日、ワインの画像をツイッターに投稿して支持を表明。また、呉ショウ燮外交部長(外相)は先月30日の豪メディアの取材で、「中国が貿易という手段で豪州に圧力をかけることを歓迎しない。また台湾と豪州の経済協力協定への署名を期待している」「台湾は中国の軍事的脅威と権威主義拡張の最前線にいる。自己防衛の決意を確固として示す他、米国、日本、豪州、インドなど理念の近い国々との情報交換と協力を強化し、インド太平洋地域の平和と安定を守ることを期待している」と述べたという。

記事は台湾のこうした動きについて、「まず、国際的な露出を勝ち取り、『民主的パートナー』である台湾も『反中連盟』の一席を手に入れたいと考えている。その次に、豪州の『被害者』という立場を明確にする意図がある。北京からの圧力とはどういうものなのか、世界で最も理解しているのは台湾だから豪州の境遇に共感できるというのが台湾のロジックだ」と指摘。さらに、「豪州産ワインを支持することで、米国産牛肉・豚肉輸入をめぐる議論を一定程度かわせるかもしれない」とし、与党・民進党の操作が適切であれば中国への対抗という大きな脈絡の中で「民主連盟」国家の経済貿易政策を支持せねばならない理由を適度に合理化できるとの考えを示した。記事は、「言い方を変えると、中国が台頭する国際情勢の中で政治と経済を切り離すことはできず、北京による政治的圧力を長期にわたって受けてきた経済体である台湾は経済面から政治・外交の突破を図らねばならない。米国産牛肉・豚肉も豪州産ワインもそれに必要な代償なのだ」とも論じた。(翻訳・編集/野谷

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