国家広播電影電視総局がこのほど、過去に問題を起こした芸能人を排除するための通達を行ったが、最新ドラマから俳優ウェン・ジャン（文章）の登場シーンの全削除が報じられたことで、この方針がすでに有効かつ強化されていると話題になっている。

中国のテレビやラジオ、映画などを管轄する国家広播電影電視総局は先月23日、主にネットのライブ配信やライブコマースを対象に、新たな方針を示した。業界の健康的な発展のため、「反道徳的なタレント」に出演や発言の機会を与えないと記されている。なお、同局では2014年から、薬物使用や暴力行為、買春や不倫などに関わった芸能人の排除を進めてきた。

先月29日に国営テレビ・中央電視台（CCTV）でオンエアとなったドラマ「装台」から、俳優ウェン・ジャンの姿が削除されていることが分かった。映画「海洋天堂」など数々の作品で知られるウェン・ジャンだが、2013年に共演女優との不倫問題が持ち上がったのち、妻で人気女優のマー・イーリー（馬伊[王利]）と2019年に離婚している。

中国メディアの報道によると、ウェン・ジャンは「装台」のメーンキャストの1人で、予告動画や番組宣伝にもその姿と名前があった。しかし、もともと全42話だったものが全33話と、いきなり9話も削られており、これはウェン・ジャンの出演場面を徹底的に削除したためと推測できるという。

不倫騒動後もウェン・ジャンの出演した映画やドラマは何の問題もなく放送・上映されていただけに、いきなりの全削除にネット上でも疑問を示す声が。一部からは、「反道徳的なタレント」排除の方針が出たばかりなので、締め付けが強化されたことを示す「見せしめ」の措置ではないかと疑う声も上がっている。（Mathilda）