Record China 2020年12月6日(日) 17時20分
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破たんした中国国有自動車会社の経営者だった祁玉民氏(写真)が、不正の疑いで中国共産党などから調査を受けていることが分かった。
中国共産党遼寧省紀律検査委員会・遼寧省政府監察委員会は4日午後、華晨汽車集団で共産党委員会書記と会長を兼任していた祁玉民氏が、党規律および法律に対する重大な違反の疑いがあるため調査を受けていると発表した。華晨汽車集団は遼寧省瀋陽市に本部を置く国有自動車会社。同社は経営が破たんし、11月に手続きが始まっていた。
中国の国有企業は、中央政府が資産を管理する中央国有企業と、地方政府が資産を管理する地方国有企業に大別される。華晨汽車集団は、遼寧省政府が資産を管理する地方国有企業。
中国メディアの北京日報報業によると、同社は11月16日、期限までに返済できなかった債務が計65億元(約1037億円)、追加利子が計1億4400万元(約23億円)あり、追加の融資も受け入れられない状態になったので、返済の手段がなくなったと発表。また、資産総額は1900億元(3兆300億円)以上あるが、2020年6月末時点で、負債総額は1328億4400万元(約2兆1200億円)に達していたという。
なお、華晨汽車集団には株式の上場も行っている子会社や、さらに独BMWや仏ルノーとの合弁会社があるが、破産手続きの対象となるのは、自主ブランドを扱っている集団本部だけで、上場子会社や外資との合弁会社には波及しないという。
祁玉民氏は1959年1月生まれ。遼寧省大連市内の国有企業に長く勤務し、同市副市長を務めたこともある。2005年年末には華晨汽車集団の会長に就任し、定年を理由に退任する19年3月まで会長にとどまった。華晨汽車集団は祁氏の会長就任当初、深刻な危機に直面していた。祁氏は経営の立て直しに成功し、華晨汽車集団は遼寧省政府の所管下にある国有企業として初めて年間売上高1000億元を突破するなどの業績を収めたため、祁氏は集団の「起死回生の功労者」などとされていた。(翻訳・編集/如月隼人)
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