中国への新型コロナ調査団の派遣、専門家「意義は微々たるもの」―米メディア

Record China    2020年12月24日(木) 17時40分

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23日、米ラジオ・フリー・アジアは、来年1月の新型コロナウイルスの発生源調査で真相をはっきりさせるのは難しいと指摘する記事を公開した。写真は大連。

2020年12月23日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)は、世界保健機関(WHO)が来年1月に中国に新型コロナウイルスの発生源調査団の派遣を予定していることについて、「今回の調査で真相をはっきりさせるのは難しい」とする記事を公開した。

記事では、ロイター通信の報道を引用し、「WHOが18日の記者会見で、新型コロナウイルスの起源を調査するため、国際調査団を来年1月の第1週に中国へ派遣すると明らかにした」と紹介。さらにWHOで緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏が記者会見で「調査団は昨年12月に世界で初めて新型ウイルス感染症が確認された湖北省武漢市を訪れる」「調査団員のビザ取得などの作業が続いているため、具体的な出発日はまだ決まっていない」と表明したことを伝えた。

続いて記事では、英BBCの報道を引用し、中国科学院武漢ウイルス研究所石正麗(シー・ジョンリー)研究員がBBCの質問に電子メールで回答した内容を紹介。コウモリとウイルスの研究を長年続けている石氏は「コウモリ女」と呼ばれ、新型コロナウイルス感染拡大時に「陰謀論」の話題で注目を集めた。石氏は「個人的にはオープンかつ透明で、信頼できる合理的な対話を基本とした、あらゆる形式の訪問を歓迎します。ただし、具体的な計画を私が決めることはできません」と回答したという。その後、武漢ウイルス研究所は英BBCに、報道内容のコピーを事前に送る要求を拒否されたことを明らかにし、「石氏の回答内容は個人的なもので、当研究所の立場を代表するものではない」と述べたという。

記事によると、英BBCの取材チームは最近、雲南省の山奥にある「通関(トングワン)」という町の廃鉱山を訪問しようとしたが、私服の警察官や不審な車両の尾行を受けた上に「故障した」トラックに道路を塞がれてしまったという。「通関(トングワン)」の廃鉱山は、武漢ウイルス研究所のチームが7年前に新型コロナウイルスと遺伝子配列が96%一致する「RaTG13」ウイルスを発見した場所だという。英BBCの取材チームが現地の人々に確認したところ、トラックは取材チームが到着する数分前に放置されたという。

記事は、米ハーバード大学公衆衛生大学院元教授の李敦厚氏の意見を紹介。李氏は「国際調査団が内情を知っている人々にインタビューすることを、中国政府が許可するとは考えにくい」「調査団が武漢に入ることができても、関連する証拠はとっくに当局が整理してしまって、重要な発見はできないだろう」と指摘し、「調査の意義は微々たるもの」と述べたという。

記事は最後に、「西側諸国のメディアの調査に対し、中国当局はオープンで透明な協力をする準備ができていないようだ」「武漢の感染爆発から1年後、WHOが来月の訪中で、妨害や制限を受けることなく、真相の手がかりを探し当てることができるかについては、今のところ楽観視できないようだ」と述べた。(翻訳・編集/原邦之

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