anomado 2021年1月17日(日) 21時0分
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活気を失いつつある香港の芸能界。香港無線電視(TVB)に所属する芸能人の報酬は少なく、さらにコロナ禍で仕事が減少している。そのため、資金力のある中国大陸の芸能界を目指す香港人の芸能人が増加している。
香港のとあるベテラン芸能記者が語った「TVB芸能人の惨状」が、いまネットで大きな話題になっている。それによると、香港の民放テレビ局、香港無線電視(TVB)に所属する芸能人の映画やドラマへの出演の機会が、新型コロナウイルスによって激減しているという。そしてたとえ出演できたとしても、その報酬はスズメの涙ほど少ないそうだ。香港芸能人協会の会長を務めるルイス・クー(古天楽)は、失業中の芸能人に月8000香港ドル(約10万7000円)を支給しているが、物価の高い香港で暮らすには焼け石に水だという。
TVBは所属芸能人に月給を支払っているが、ほとんどの人は一般的なサラリーマンに遠く及ばないため、タクシー運転手や保険の販売員、屋台などの副業を営んでいる。大女優リザ・ウォン(汪明●/●=くさかんむりに「全」)は、芸能人の待遇を改善しようと、今年1月10日に行われた「TVBアニバーサリー・アワード」でTVB幹部に給与アップを呼び掛け、芸能人たちから拍手喝采を送られた。
10年ほど前には、約200人の芸能人が待遇改善を求めてTVBビル前で抗議活動を行っている。しかし局の幹部は「絶対に認めない」という態度をとり続けた。そして現在はコロナ禍でさらに勤務時間が減り、月500香港ドル(約7000円)しか支給されない芸能人もいるという。
報酬が安いのは端役や駆け出しだけではない。最近、中国で誰もが知る有名俳優によるドラマ出演の報酬が明かされ、その金額の少なさにショックが広がっている。それによると、ドラマ1話あたりの報酬は、シェレン・タン(●萃雯/●=「登」におおざと)が8万香港ドル(約107万円)、ロジャー・クォック(郭晋安)が7万香港ドル(約94万円)、カーメイン・シェー(余詩曼)が6万5000香港ドル(約87万円)、レイモンド・ラム(林峰)が5万香港ドル(約67万円)だという。中国大陸の一流俳優がもらっている数百万元、数千万元と比べると、その差は歴然としている。
仕事減で生活が成り立たない香港の名端役らにとって、発展目覚ましくギャラのいい中国大陸の芸能界はもってこいの場所。2018年にジャッキー・チェン(成龍)や歌手のアラン・タム(譚詠麟)らが「香港演芸界内地発展協進会」を発足させ、香港人タレントの中国大陸での活動をサポートするようになった。現在は生活と仕事の本拠地を中国大陸に置く香港スターも少なくない。
80、90年代の香港芸能界は、ドラマ、映画、音楽、バラエティと、すべてのジャンルにおいて一世を風靡してきたが、21世紀に入ってから活気を失いつつある。一方で、マーケットの大きさと資金力で、大きな魅力となったのが中国の芸能界だ。仕事を求めて中国大陸を目指す「出稼ぎ芸能人」が、今後も続出するとみられている。(提供/華流・anomado)
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