CRI時評 2021年1月18日(月) 12時10分
拡大
新型コロナウイルス感染症の流行という「拡大鏡」の下、米国の医療体制の、資本に奉仕し米国人の命を人質に取るという本質が徹底的に暴かれている。
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全国民をカバーする社会医療保険制度が確立されている欧州や日本などの先進国とは異なり、米国は、商業医療保険と政府医療保険を混合した制度を実施している。米国における医療資源の分布は、市場を主とし、政府を補とするもので、医師、保険会社、製薬会社、医療保険管理機関などのグループが競争し、また結託し、米国の一般市民、さらには国有資産さえも、そうしたグループによる競い合いの犠牲となっている。米国人の平均寿命は経済協力開発機構(OECD)加盟国で26位だ。
米国の医療体制は、過度の市場化と政府による不十分な監督管理により、利潤追求の戦場となっている。その最も顕著な表れは、大規模製薬会社数社が医薬品市場を独占しているため、米国は世界で医薬品価格が最も高い国の一つとなっていることだ。米国では成人の少なくとも1900万人が、国内の医薬品価格が高すぎるため、カナダやメキシコなどで購入することを余儀なくされている。
米国の新型コロナ感染者の治療費は、医療保険に加入し合併症がない人でも平均約9800ドルで、合併症がある場合は2万ドル以上となる。世論調査によると、米国では11人中1人が、新型コロナの治療費が高すぎることを理由に医師に診てもらうことを拒んでいる。新型コロナの流行により、職を失った多くの人が同時に保険も失っている。そうした人々にとって、疾病を前にして恐らく唯一の選択肢は「天命に委ねる」ことだ。
米国の一般市民が高額な医療費に苦しむ一方で、利益団体は目に見えない場所で多くの金を惜しげもなく使っている。米国の利益団体は、得た利益を政治献金として使用し、医療立法や関連政策を自分たちの利益に合うようロビー活動することで、より多くの利益を得ようとしており、動かしがたい「閉ループ」を形成している。
米国の金銭政治の核心が変わらない限り、米国の一般市民の利益、さらには国全体の利益も、医療体制の「害虫」による蚕食を避けられないだろう。これは資本主義の利潤追求によって演出された「アメリカの悲劇」に違いない。(CRI論説員)
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