内藤 康行 2021年2月15日(月) 23時0分
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2020年末の時点で、世界の87の国と地域がプラスチックを制限するためのさまざまな措置を採用しており、そのうち15カ国と地域がプラスチックを明確に禁止している。資料写真。
2014年と2015年の国連環境気候会議では、プラスチック汚染、特に海洋プラスチック汚染問題が重要なテーマとして挙げられた。2018年、欧州委員会は「欧州循環経済におけるプラスチック戦略」を発表し、2030年までにEU市場のプラスチック廃棄物の半分以上をリサイクルする必要があると規定した。
2020年末の時点で、世界の87の国と地域がプラスチックを制限するためのさまざまな措置を採用しており、そのうち15カ国と地域がプラスチックを明確に禁止している。
近年、欧米、日本などの先進国や地域では、部分禁止、制限、強制回収、回収、汚染税及び難分解性プラスチックの使用を制限する法規制が次々と制定・公布されており、環境と土壌を保護する新生分解性プラスチック材料の精力的な開発が進んでいる。
2019年から2020年にかけ、中国、パキスタン、インド、フィリピン、タイ、アルジェリアを含むアジア地区の多くの国がプラスチック制限政策を発表した。これからのステップでは、アジア地区での生分解性プラスチックの需要が急伸し、生分解性プラスチックの最大の消費市場としてヨーロッパに取って代わると予想されている。
プラスチック禁止令、諸外国と中国の相違点
(1)生分解性プラスチックの使用を促進する手段に関して、諸外国は主に税収で調整する。一方中国は政策による強制執行に依存している。
(2)プラスチック汚染に着眼すると、EUは海洋を含むすべての自然地域のプラスチック汚染を重視しているが、中国は主に土壌と陸地環境のプラスチック汚染に焦点を当てている。
(3)生分解性プラスチック製品は、海外ではフィルムバッグ類の包装製品や漁具等のレジャー製品が使用され、中国ではフィルム包装、食器用ランチボックス、マルチフィルムで多用されている。
*生分解性プラスチック:微生物の働きによって最終的に水と二酸化炭素にまで分解されることから、廃棄物処理問題の解決につながると期待されている。
参考資料:
■筆者プロフィール:内藤 康行
1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般と環境(水、大気、土壌)に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中国水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現状」(用水と廃水2016・9)、「中国水ビジネス産業の現状と今後の方向性」(用水と廃水2016・3)、「中国の農村汚染の現状と対策」(CWR定期レポ)など。
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