Record China 2021年2月27日(土) 6時0分
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ラフマーニ駐日イラン大使が日本記者クラブで会見。中ロとの関係について「イランは核合意調印国のと合意の枠組みでも、2国間関係でも極めて良好な関係にある」と指摘。両国に対し強い信頼感を示した。写真は会見。
2021年2月26日、モルテザ・ラフマーニ駐日イラン大使が日本記者クラブで会見した。核合意調印国の中国やロシアとの関係について「イランは核合意調印国のと合意の枠組みでも、2国間関係でも中ロ両国と極めて良好な関係にある」と指摘。米国と欧州3カ国(英仏独)が対イラン制裁を解除していない中で、中ロ両国はイランへの制裁解除を求めており、「極めて協力的」として信頼感を示した。米バイデン政権はトランプ前政権のイラン敵視政策から一転してイラン核合意復帰を打ち出しているが、米イランの主張はかみ合わず、課題は山積している。
イラン核合意は、核兵器開発を疑われていたイランと米英独仏中ロが2015年7月に結んだ合意。イランが高濃縮ウランや兵器級プルトニウムを15年間は生産しないことや、ウラン濃縮に使われる遠心分離機を大幅に削減する代わり、米欧が金融制裁や原油取引制限などを緩和した。トランプ米大統領が18年5月に核合意を離脱し、制裁を再開したため、イランが19年5月から段階的に核合意の履行を停止している。
ラフマーニ大使は米トランプ政権後半の2018年7月に着任、日本政府へ働きかけをはじめ精力的に外交活動を展開している。
<ラフマーニ駐日イラン大使の発言要旨は次の通り>。
米国トランプ政権はイラン核合意から一方的に離脱し合意の枠組みを覆した。
合意違反は米国に加えて欧州3カ国であり、(経済制裁によって)イランの正常な貿易や利益は損なわれている。これらの国が多国間主義を重視するよう求めたい。
こうした中でイランは中国やロシアと合意の枠組みでも、2国間関係でも極めて良好な関係にある。中ロ両国はイランへの制裁解除を求めており、極めて協力的だ。
イランは以下の4点を国際社会に明確にアピールしている。
(1)外交の取り決めに忠実であること
(2)核合意を破壊する動きを阻止すること
(3)最も実効的なのは(米国が取る)措置・行動に比例して対し(イランも)措置を元に戻すこと
(4)国際社会は国連決議2231条に基づいて核合意を遵守すること
イランが昨年末に核開発の大幅強化を政府に義務付ける法律を成立させたことは「核合意の死」を意味するものではない。イランが国際原子力機関(IAEA)と合意した現行の基本的査察を継続する最長3カ月の猶予期間に、(米英仏独など)国際社会が具体的な措置を取ることを期待している。
米国のバイデン政権は、トランプ政権から一転、核合意復帰を打ち出しているが、まず制裁を解除すべきだ。バイデン政権の(制裁解除の)対応に応じて、段階的な解決も可能である。
(八牧浩行)
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