Record China 2021年3月4日(木) 19時20分
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世界最大手の音源ストリーミングサービスSpotifyが1日、海外においてKakaoMの保有する音源の配信を中断し、アーティストやK-POPファンの間で不満が高まっている。写真はSpotify。
世界最大手の音源ストリーミングサービスSpotify(スポティファイ)が1日、海外においてKakaoM(カカオエム)の保有する音源の配信を中断し、アーティストやK-POPファンの間で不満が高まっている。3月3日、韓国・朝鮮Bizが報じた。
記事によると、KakaoMは、韓国の音源流通市場で占有率37.5%(2020年)を誇る韓国最大の音源流通企業である。Spotify側は「KakaoMの保有する楽曲を世界中のファンに継続的に提供できるよう努力してきたが、KakaoMと合意に至らなかった」と公式のコメントを発表した。
業界では、2月2日から韓国に進出したSpotifyが、音源を提供しないKakaoMに対し、海外サービスの中断という強硬手段に出たとみられているという。KakaoMが、自社の運営する韓国内最大手の音源ストリーミングサービス「MelOn(メロン)」の独走を守るため、Spotifyに対して音源の提供を拒んでいるという見解である。
KakaoM側は「韓国内のサービスについて協議する中で、Spotifyの提案に合意できず、海外サービスも中断された」とし、「早急に解決できるよう話し合いを継続中」と説明している。
これに対し、一部のアーティストやK-POPファンは不満をあらわにしているという。韓国の3人組ヒップホップユニット・EPIK HIGH(エピック・ハイ)のTABLO(タブロ)は自身のSNSにおいて、「われわれの意思とは無関係に、配給会社2社(の争い)によって新しいアルバムが発売できなくなった」「企業が欲を出すことで、なぜアーティストやファンが被害に遭わなければならないのか」と批判した。SpotifyでK-POPを聴いてきた海外のファンも、「KakaoM アウト(OUT)」のハッシュタグを付けて、SNSに不満のコメントを投稿している。
また1日には、韓国大統領府の国民請願掲示板に「K-POP業界のために音源流通産業の寡占防止法を作ってください」という題名の文章が投稿された。KakaoMが海外企業の新規参入を阻害しているという趣旨の批判であり、KakaoMが音源を提供するMelOn、Bugs(バグス)、FLO(フロー)が同様に1万900ウォン(約1040円)の料金プランを販売しているのも、排他的な姿勢による弊害だと指摘している。
西江大学経営学科のイ・サングン教授は、「最近はプラットフォームビジネスが成長し、利用者の満足度を高めるよりも、利益を最大化する方向で運営されている」とした上で、「KakaoMはSpotifyに音源を提供して収益を上げるよりも、“業界1位のMelOn”を守る方が得策だと判断した」と分析しているという。
この記事に対し韓国のネットユーザーからは、「Spotifyが権力を振りかざしているのに、なぜKakaoMが悪く書かれているんだ?」「Spotifyに韓国市場を譲り渡す必要はない。国内の法に従い税金を払っている企業を最大限守らなければ」「コンテンツを継続して提供しなければ、すぐに影響力は失われてしまう。KakaoMは長期的な視点で判断してほしい」「K-POPによって韓国のイメージは向上したし、企業は輸出を増大させる努力をしている。韓流は公共財として扱うべき」など、双方を支持するコメントが寄せられた。(翻訳・編集/丸山)
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