中国都市部の女性、ペットを飼ってストレス解消―中国メディア

人民網日本語版    2021年3月9日(火) 15時50分

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中国都市部の女性がペットを飼ってストレス解消している。

80後(1980年代生まれ)の楊●(ヤン・ジン、●は女へんに青)さんは最近、「自分へのご褒美」に生後3カ月のトイプードルを購入。「おにぎり」と名付け、彼女にとって新しい家族と生活のパートナーになった。中国新聞網が伝えた。

楊さんは、湖南省長沙市で不動産販売業に従事しており、食事を取る時間もないほど忙しい日も多い生活を送っている。そんな忙しい日々なか、家に帰ってから少しでも楽しく過ごしたいと、イヌを飼いたいと思うようになった。

現代都市生活のリズムは速く、若い世代、特に、都市に住む若い女性は、仕事や生活、家庭などからもたらされるプレッシャーが重なり、ストレスが増大している。ある調査によると、中国人女性が直面している職場と家庭からもたらされる2方面のストレスとコントロール不可能なストレスは男性の約2倍となっている。

ネズミを捕まえてくれるネコ、家や庭の番人になってくれるイヌはその昔から、中国の農村で重宝される存在だった。しかし今では、これらの心を癒してくれるペットが中国の都市に住む若い女性の心を鷲掴みにし、ネコと遊んだり、イヌと散歩したりするというのが、やさしく繊細な女性の新たな「ストレス解消術」となっている。

こうした現象を受けて、ペット市場が1000億元(約1兆6000億円)レベルにまで拡大するようになっている。中国リサーチ企業・艾媒咨詢(iiMedia Research)の統計によると、2015年から2019年までに、中国のペット市場の規模は2倍に拡大し、複合年間成長率 (CAGR) は20%となっている。

湖南省ペット診療業界協会の屠迪(トゥー・ディー)秘書長は、「ペットは単なる動物ではなく、人の心を癒してくれる存在。家庭や飼い主にとっての意義は『財産』というだけでなく、心の拠り所となっている。仕事のストレスが溜まっている時でも、気分が落ち込んでいる時でも、ペットと遊ぶと、女性たちはプラスのエネルギーを得ることができる」との見方を示す。

李▲(リー・チー、▲は王へんに其)さん(27)は、イヌを飼ったのがきっかけで、同じくイヌ好きな彼氏に出会い、二人で一緒に、シベリアンハスキー、ゴールデンリトリバー、サモエドの3匹を飼っている。「仕事が終わって帰宅し、呼ぶとすぐにイヌたちが駆け寄って来て甘えてくれる。その瞬間、一日の疲れが吹っ飛ぶ」と李さん。

ペットを飼う女性が増加の一途をたどっているのを背景に、オンライン上のペットエコノミーもまた拡大し続けている。ECサイト・京東が最近発表した大切にペットを育てる女性の姿を描き出す報告(2021年版)によると、オンラインでのペット用品の主力軍は女性となっており、スマートペット用品、ペット用娯楽系商品、ペット用健康・保健類商品、ペットウェア系商品の取引額が前年比でそれぞれ6倍、3倍、4.5倍、2.7倍となっている。

また、オフラインのペットサロンやペットウェアショップなども急速に増加している。屠迪氏によると、現在、長沙のペット関連のショップは毎年約10‐20%のペースで増加している。

経済的に余裕がなかったり、平日はペットの世話をする時間がないという都市に住む女性は、休みの日にネコカフェやイヌカフェに行き、ネコやイヌと触れ合ってストレスを解消している。長沙のあるカフェのオーナー・李晶(リー・ジン)さんは、「ネコやイヌと触れ合いに来る客のほとんどが女性。その影響で、中年・高齢者の間でもペット人気が高まっている」と話す。

屠迪氏は、「イヌよりネコを飼っている若者のほうが断然多いのは注目に値する。イヌを飼うにはある程度広いスペースが必要であるのに対して、ネコは必要としないのがその原因かもしれない。今後も、ペットの医、食、住など関連の産業が急速な発展を続けるだろう。そして、産業全体の各段階の人材、商品、イノベーションのニーズが急速に高まり、ペット産業の各枝となっているサービス、商品もさらにグレードアップし、カスタマーサービスが『ヒトの基準』にどんどん近づいていくだろう」と見通しを語った。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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