日本以外からも続々…台湾産パイナップルが国際市場開拓、すでに中国向け輸出を上回る注文―独メディア

Record China    2021年3月11日(木) 14時20分

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中国が台湾産パイナップルの輸入を禁止したことが物議を醸す中、独メディアのドイチェ・ヴェレは10日付の記事で、台湾がこれを機に国際市場開拓に動いていると報じた。

中国が台湾産パイナップルの輸入を禁止したことが物議を醸す中、独メディアのドイチェ・ヴェレは10日付の記事で、台湾がこれを機に国際市場開拓に動いていると報じた。

中国は2月26日、台湾から輸入したパイナップルから害虫が検出されたとして、3月1日から輸入を見送ると発表。台湾の果物農家に衝撃が走った。

台湾の蔡英文総統は3月2日、フェイスブックで「台湾パイナップルを食べまくるチャレンジ」を立ち上げ、支持を呼び掛けた。これに、政治家やインフルエンサーがSNSで反応。多くのネットユーザーによってパイナップルのレシピがネット上で共有され、飲食店業界も相次いでパイナップル料理を打ち出した。また、蔡英文氏は先週の記者会見で、「わずか数日で100社以上の企業が台湾パイナップルへの支持を表明し、購入量は4万トンを超えた」と語った。

記事は、これと同時に台湾政府も積極的に国際市場を開拓し、中国による「台湾産パイナップル輸入禁止令」に縛られた窮地から脱却しようとしていると指摘。台湾農業委員会の陳吉仲主任委員によると、3月3日までに日本から受注したパイナップルの量は5000トンを超え、例年に比べて大幅に増加。また、台湾副総統で行政院長(首相に相当)の頼清徳氏は、日本からの注文が5日には6000トンを超えたことを明かしている。台湾は日本のほか、米国、カナダ、オーストラリアシンガポール、ベトナム、中東諸国からパイナップルの注文を受けたという。

各国の台湾駐在機関もSNSで台湾産パイナップルへの支持を表明している。ドイツ在台協会はフェイスブックのプロフィール写真をパイナップルデザインに変更。日本台湾交流協会、米国在台協会(AIT)は同じくフェイスブックに台湾産パイナップルの紹介文を投稿した。カナダ駐台北貿易事務所は、事務所スタッフと台湾パイナップル、ハワイアンピザの写真をシェアし、英国在台弁事処(大使館に相当)は、パイナップルのロールケーキのレシピを投稿したという。

公式統計によると、台湾の年平均のパイナップル生産量はおよそ42万トンで、そのうち輸出が約10%。中国は輸出先の9割を占めており、近年の中国へのパイナップル輸出量は年平均4万1000~4万2000トン、年生産額は約15億台湾ドル(約58億円)に上る。

記事によると、台湾行政院長の蘇貞昌氏は「海外からの受注のほか、台湾内の企業、民間団体などの機関がパイナップルを購入しており、購入された総量は中国への輸出量を超えている」と述べた。台湾行政院農業委員会も10億台湾ドル(約38億円)の補助金提供を表明している。AP通信は「今回の中国のパイナップル輸入禁止令が台湾の農家に著しい影響を与えることはないだろう」と報じているという。(翻訳・編集/北田

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