Record China 2021年3月14日(日) 9時50分
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中国のニュースサイト・観察者網に「韓国人は“盗んだ”のか」と題する記事が掲載された。最近、中国と韓国の間で繰り広げられている起源をめぐる論争について分析している。
記事はまず、韓国で先日、ドラマ「30女の思うこと」に出演した中国の女優ジャン・シューイン(江疏影)の名前が韓国風だとの指摘が出たことを紹介。また、韓国の「姜素英」(カン・ソヨン)の読みと同じため、韓国起源ではないかと主張する声も上がったと説明した。
そして、これを受け中国のネットユーザーからは「恥知らずだ」「韓国人は何にでも難癖をつける」「韓国人は人のものを奪う」「韓国人ではなく盗国人だ」といった反発が多数出たとした上で、近年中国では「韓国が○○を世界遺産に申請」「韓国は○○は韓国人だと主張している」といった情報が頻繁に流れるようになっているとして、その背景について分析した。
1.韓国人は誤解されているのか?
記事は、こうした論争の中には「多かれ少なかれ誤解があると言わざるを得ない」としている。例として、「韓国が端午節をわがものにし、中国の世界遺産申請を妨げている」との情報が中国で流れたことについて、「実際は、中国の端午節はすでに2009年に世界無形文化遺産に登録されている」「韓国が世界遺産登録したのは江凌端午祭という別物であり、『韓国が端午節をわがものにしている』と言えないのは明らかだ」とした。
また、別の例として「韓国では孔子は韓国人とされている」という情報を挙げ、「韓国の検索エンジンで孔子を検索したところ、ヒットしたウェブ事典の説明文には『中国春秋戦国時代の思想家・学者』と明記されている」「あるメディアが韓国の街頭で『孔子は何人と思うか』とインタビューしたところ、『中国人』との回答一色だった」などと説明し、こちらもデマだと指摘した。
さらに、最近中国で大流行中の「タニシ麺」について、SNS上にハングル文字で「韓国伝統の味だ」「世界遺産に申請しよう」「韓国の世界に向けた新たな名刺に」などと書かれた文章が登場したことで「韓国人がタニシ麺を奪おうとしている」とのうわさが流れたものの、その後、元の文章が不自然なハングルで書かれていることが指摘され、誰かが韓国人のふりをして書いたものである可能性が高いとみられると説明。また、この話題が韓国でも伝えられたものの、韓国人の多くはタニシ麺が何かも知らなかったことも併せて伝えた。
記事は、「漢字を発明したのは韓国人」「韓国が風水を世界遺産に申請しようとしている」「活字印刷技術を発明したのは韓国」「韓国が書道を世界遺産に申請」といった情報も基本的にはデマであるとし、「中国の一部メディアが言うところの“韓国人専門家”もほとんどが存在しない人物である」とした。
そして、こうしたデマが流れる背景として、「言語の違いにより情報伝達にミスがあること」のほか、「一部のメディアが目を引くためにネットユーザーの愛国心を利用し、わざとフェイクニュースを流してもめ事を起こしていること」があると指摘。「ニュースを見る際には何も考えずに信じ込まず、自らその信ぴょう性を判断する必要性がある」とした。
2.韓国は無実の罪を着せられているのか?
記事は一方で、「そうは言っても、韓国がすべてにおいて無実の罪を着せられているというのか。“盗人の国”とののしられるようなことは全く存在しないというのか。そう言い切ることもできない」とも論じている。
例として、韓国が2年ほど前からグーグルに対して、“Lunar New Year”と入力して検索すると“Chinese New Year”と表示されることに不満を表明し続け、最近になってグーグルが修正に応じたことを挙げた。
記事はこの背景には韓国のサイバー使節団と呼ばれるVANKの存在があるとし、「彼らは世界中のメディアに同様の要求を送り続けているほか、国連の記念切手に書かれた“CHINESE LUNAR”の文字についても修正を求めた」と指摘。その主張は「旧正月が中国独自のものであると世界中の人に誤解される」というものだとした。
しかし、「彼らの主張には全く根拠がない」とし、「旧暦の正月を祝う習慣はアジアの国に存在するが、基本的には中国で発展し伝わったものである」「朝鮮半島には新羅の時代に伝わったが、その後、日本統治時代に一度廃止され1999年に復活した」と説明。「韓国人は中国から伝わった文化でもって自らを宣伝した揚げ句、この文化が中国と関係するものではないと公然と主張しているのである。これは確かに、いささか厚顔無恥だ」と指摘した。
さらに、中国ドラマ「尚食」で主演俳優シュー・カイ(許凱)が着用した衣装について、韓国のネットユーザーから「これは漢服ではなく韓服だ」「韓国の伝統衣装をパクるとは中国は品がない」などと批判の声が多数出たことにも言及。こうした言論は「中国人を憤慨させた」とし、同作のプロデューサーの于正(ユー・チョン)氏が激しい言葉で反論したことを紹介した。
于氏は当時、SNSで「これはれっきとした明の時代の漢服。(韓国は)当時、明の属国でそのまま使ったからといって、これが“韓服”だなどと言ってはいけない」と批判。また、「韓国は親からもらった五官を平気で変えるのだから、誤った主張をすることは日常茶飯事だ」「韓国人は奇妙だ。自分が使用したものは何でも、自分のものだと言う」とも述べた。
この騒動については中国歴史研究院も「韓国は明の時代の服装を改良して、後に韓服とした。当初は『明から賜った服』とされていた」と指摘。同院はまた、李氏朝鮮初期の官僚である崔溥が「朝鮮は海外であるものの、衣服や文物は(中国と)同じ」と述べていたことや、文人の徐居正も「衣服や文物は上の国と同じ」としており、ここでいう「上の国」が中国を指すことは明らかであることなどを指摘している。
3.中韓の文化的な衝突の背後にいる者
記事は、中国と韓国のこうした衝突の背景には、多くの場合、上述のVANKが関係していると主張。キムチの起源をめぐる論争でも「悪意を持って中国をおとしめている」と批判した。また、同団体が「日本海」表記を「東海」に変更するよう、世界中の機関に働きかけていることにも言及。実際に根負けして表記を変更したサイトもあるとした。
また、VANKのメンバーになるためには「韓国の宣伝資料を収集する」「メールを通して外国のネットユーザーとつながる」「韓国に関する誤った描写を探す」「海外の教科書出版社に友好的な手紙を送る」といった14のタスクをこなさなければならないことに触れ、「VANKは『文化交流』をかさに着て、文化をめぐって(人々を)ミスリードしていることが容易にわかる」と批判。また、韓国政府からの資金援助が報じられていることから、「VANKが文化的な衝突をつくり出すことにはさらに深いレベルでの目的があることを暗示している」とした。
そして最後に、韓国側の「不当な言論」への対応として、文化コンテンツを通して間違った情報が入ってくることに警戒すること、自分たちの文化をより重視し、大切にすることが重要だと述べた。(翻訳・編集/北田)
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