中国の1-2月の主要経済指標が大幅増、今年の経済のスタートを読み解く―中国メディア

人民網日本語版    2021年3月18日(木) 5時0分

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中国国家統計局が発表した最新のデータによると、今年1-2月には主要経済指標が大幅に増加した。写真は上海。

全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の付加価値額が前年同期比35.1%増加し、サービス業生産指数は同31.1%増加し、固定資産投資も同35.0%増加した……中国国家統計局が15日に発表した最新のデータによると、今年1-2月には主要経済指標が大幅に増加した。今年のスタート時期の経済データをどのように正確に読み解くか。同局の劉愛華(リウ・アイホア)報道官はこのほど国務院新聞弁公室で行なわれた記者会見で説明を行った。人民日報が伝えた。

■経済全体が回復プロセスにある中、雇用の全体的安定の維持に有利な条件が備わる

発表された主要指標の成長率からみると、今年1-2月の前年同期と比較した指標は確かに大幅増加となっている。より客観的かつ正確に経済運営の「脈を測る」ために、同局は特に今年1-2月のデータについて、2020年同期および2019年同期とそれぞれ比較して、新たな指標となる「2年間の平均成長率」を導入した。つまり、19年の同期の数字を基数として、幾何平均(相乗平均)の方法で計算した成長率を採用するということだ。

劉報道官は、「工業生産を例にすると、今年1-2月の一定規模以上の工業企業の付加価値額の成長率は35.1%で、比較の対象となる昨年の基数が低かったことの影響を考慮して計算すると、一定規模以上の工業企業の付加価値額の昨年と今年の2年間の前年同期比成長率の平均は8.1%にとどまる。同じ方法を用いて、2年間の平均成長率を計算すると、サービス業生産指数は6.9%増、固定資産投資は1.7%増、社会消費財小売総額は3.2%増となり、こうしたデータを総合的に判断した結果、経済は全体として回復プロセスにあるといえる」と述べた。

1-2月の経済指標のうち、雇用データも注目を集めた。同期の全国都市部の新規雇用者は148万人に上った。今年の「政府活動報告」によると、(昨年の)都市部の新規雇用者は1100万人以上だった。今年のスタートの状況をみると、年間の雇用目標を達成する条件は整ったか。

経済が持続的に安定的に回復すれば、雇用ニーズの拡大につながり、雇用情勢の安定にプラスに作用する。

雇用安定政策が引き続き力を発揮し、サービス業が回復的な発展を遂げれば、雇用圧力の緩和につながる。劉報道官は、「2021年は、新型コロナウイルス感染症対策の効果が持続的に現れるのに伴って、サービス業が回復的な発展を遂げるだろう。こうした状況の中、サービス業は雇用の貯水池としての役割をよりよく発揮することになるだろう」と予測した。

■消費のポテンシャルが完全には発揮されておらず、消費市場の安定回復情勢はしばらく続く見込み

今年1-2月の経済運営は昨年以来の安定回復情勢が続き、経済の循環がますますスムーズになり、市場の期待も改善を続けた。しかし現在の国際情勢はなお複雑で厳しく、中国国内経済の回復の基礎もまだ十分に固まっているとはいえない。

比較の対象となる昨年の基数が低かったため、今年1-2月の消費市場の前年同期比成長率が高く、社会消費財小売総額は同33.8%増加し、物価要因を考慮した実質成長率は34.3%だった。19年1-2月と比較すると、社会消費財小売総額は6.4%増加し、2年間の平均成長率は3.2%となり、引き続き回復的成長のプロセスの中にいる。

劉報道官も、「飲食消費はまだ感染症前の水準に戻っていない。飲食消費は一部地域の集中的・散発的な感染症の影響を受けるため、消費のポテンシャルが完全には発揮されていない」との見方を示した。

しかし、今年のスタートのデータを見ると、消費分野には多くの注目点もみられる。たとえば、バージョンアップ型商品消費の成長率が高い▽海外消費の一部が還流した▽オンライン小売が急成長を保っている▽実店舗が回復的成長を遂げた、などだ。

国家統計局貿易外経統計司の張敏(ジャン・ミン)統計家は、「次の段階には、強く大きな中国国内市場を形成し、新たな発展構造の構築を加速するという大きな背景の中で、消費促進政策が持続的に効果を現すのにともない、消費市場の安定回復情勢は今後も続く見込みがある」との見方を示した。

■製造業の投資回復にはまだしばらく時間がかかるが、中国経済には持続的な回復を維持できる基礎があり条件も整っている

今年1-2月には、固定資産投資(農家を含まない)の2年間の平均成長率が1.7%となり、このうちハイテク産業への投資額は前年同期比50.1%増加し、2年間の平均成長率は11.0%だった。社会分野の投資は同48.0%増加し、2年間の平均成長率は8.8%で、いずれも高い成長率となった。

しかし、製造業への投資の2年間の平均成長率はマイナス3.4%で、回復ペースは比較的遅い。劉報道官は、「製造業への投資はさまざまな要因の影響を受けており、それには企業の投資能力と投資への信頼感の回復が含まれている。感染症は効果的に抑制されたとはいえ、感染症対策による圧力はまだ存在し、外部環境もなお複雑で厳しい状況にあるため、製造業への投資が回復するにはまだしばらく時間がかかるだろう」と予想した。

国務院発展研究センター市場経済研究所の王微(ワン・ウェイ)所長は、「ここ数年、経済成長に対する最終消費の寄与がどんどん大きくなっている。最終消費ニーズを拡大し、発揮させ、高度化することを主な方向性とし、消費の高度化と拡大によって投資と産業構造の調整をもたらし、より整った国内需要システムの構築につながり、さらには質の高い発展を支える新たな原動力を形成することが必要だ」との見方を示した。

劉報道官は、「各指標の結果を見ると、業界間や分野間のアンバランスという現象は存在するものの、主要指標はいずれも回復的成長プロセスの中にあり、経済運営は昨年以来の持続的で安定的な回復状況を維持している。経済回復情勢から考えても、各要素による支えや政策による支えという点から考えても、2021年の中国経済には持続的回復の状態を維持する基礎があり、条件も整っているといえる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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