中国社会科学院法学研究所はこのほど発表した法治青書「中国裁判所情報化発展報告書No．5（2021）」の中で、「人工知能（AI）は司法・裁判に深い影響を及ぼしている。『AI裁判官』『AI弁護士』などがコンセプトから現実に向かっている。将来的にロボットが裁判所の代わりに判決文を作成する可能性が極めて高い」と指摘した。中国新聞網が伝えた。

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同青書によると、AIは現在、司法・裁判の主に2つの面で高い応用価値を示している。これは裁判結果の生成方法の人工からスマートへの転換、及び法廷審問の同一空間スタイルから異なる空間スタイルへの変革のことだ。

同青書によると、専門的な案件に対して、機械は論理の中で、これまでの裁判官の論述を学習する。これは当該案件を取り扱う裁判官にとって大きな参考・補完の意義を持つ。一般的な案件の論理に対して、ロボットは裁判官の作業効率を全面的に高めることが可能だ。同青書は「将来的にロボットが裁判所の代わりに判決文を作成する可能性が極めて高いことは、実践によって証明されている」としている。

同青書は、AIの司法裁判における効果的な規制を実現するため、今後次の2つの面で改善が必要だと提起した。

同青書は「感情的な価値と法的価値の二分割を実現するには、感情的な問題を人に委ね、法的問題をロボットに委ね、AIの適用範囲を正確に区分する。新種の案件と案件の事実の認定に関しては主に人が取り扱い、一般的な案件及び法律適用の問題については主にロボットが取り扱う」としている。

次に、当事者からの「アルゴリズムのブラックホール」という法的な疑問を解決するため、ロボットアルゴリズム審査制度を構築するべきだ。同青書は「これにはAIアルゴリズム公開制度、AIアルゴリズム裁決制度、AIアルゴリズム救済制度が含まれる」としている。

AIの司法裁判への応用の法理に関する議論が始まったばかりだ。同青書は「AI技術の発展は新たな司法裁判制度改革をもたらす可能性がある。従来の意義の法廷審問、送達、証言の尋問、判決の概念はAIの視野により再定義されるかもしれない。これは中国の訴訟法のさらなる改善をもたらすことにもなる」としている。（提供/人民網日本語版・編集/YF）