ファーウェイ独自の「Harmony OS」がなぜ必要なのか?―中国メディア

人民網日本語版    2021年6月4日(金) 8時50分

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ファーウェイは2日、スマートフォンなどのモバイル端末に対応可能な独自開発の基本ソフト「鴻蒙」を正式に発表した。

ファーウェイ(華為技術)は2日、スマートフォンなどのモバイル端末に対応可能な独自開発の基本ソフト(OS)「鴻蒙(Harmony、ハーモニー)」を正式に発表した。アンドロイドとiOSが市場をほぼ独占する状況の中、「Harmony OS」が彗星のごとく登場した。アンドロイド、iOSとは大きな違いがあるOSだ。中国新聞網が伝えた。

ファーウェイが2016年5月に「Harmony OS」のプロジェクト立案と開発を正式にスタートした時、目標は非常にはっきりしていた。「絶対に、もう1つのアンドロイドやiOSを作るつもりはない。そんなものに価値はない」。

「Harmony OS」を打ち出すことで、あらゆるハードウエアデバイスの搭載システムの問題が解決でき、「ハードが違うとシステムも違う」状況に別れを告げることができる。アプリとソフトの切り目のない切り替えが実現すれば、異なるハードや異なるシステムには異なるアプリを開発しなければならないという、これまで開発者が直面してきた困難がすんなりと解決される。

「Harmony OS」の最大の違いは、スマホ向けのOSであるだけでなく、さらにIoE(インターネットで全てのものをつなぐこと)に向けたOSであり、今後の生態圏におけるポテンシャルが極めて大きいという点だ。スマホ、テレビ、タブレット、自動車などの端末は「Harmony OS」を搭載すれば、異なるプラットフォームでもソフトが対応するようになり、個々の開発が必要なくなる。

挑戦に直面:第3の選択肢を提供

「Harmony OS」はアンドロイドのシステムからもiOSのシステムからも独立した第3のモバイル端末OSとして、業界に新たな選択肢を提供した。

周知のように、公平な競争が行われている市場では、プレイヤーがより十分に、より徹底的に競争に参加できるほど、市場のイノベーションの活力はより強くなり、生態圏構築のメカニズムもよりよいものになる。そのため、「Harmony OS」という選択肢があることは非常に重要だ。

「Harmony OS」はアンドロイドと同じく、Linuxのシステムをベースに開発したOSだ。これまでファーウェイが使用していたEMUIは、アンドロイドをベースに開発したものだった。2019年にグーグルがファーウェイに対し、グーグルモバイルサービス(GMS)を開放しないと発表すると、ファーウェイは海外市場で大きな挫折を経験することになった。その後、ファーウェイは独自のファーウェイモバイルサービス(HMS)の開発に力を入れるようになった。今回の「Harmony OS」への大規模なバージョンアップは、ファーウェイがOSのボトルネックとなっていた問題をすでに解決済みであることを示している。

「Harmony OS」のバージョンアップリスト第一弾が業界の注目を集めている。ファーウェイはこれまでに「Harmony OS2.0」の公開テストを開放しており、体験したネットユーザーは、「アプリの反応の速度とスムーズさが大幅に向上し、EMUI11より30%から50%速くなったように感じ、アプリが立ち上がる速度もiPhone12(アイフォーン12)に比べてさらに速くなった」と感想を述べた。

成功の鍵:生態圏を大きく

成功したOSを作ろうと思うなら、それを取り巻く生態圏の建設が極めて重要だ。ファーウェイは先に「Harmony OS」をオープンソースのシステムにすると発表した。開発者はベースとなるソースコードがわかれば、ソフトの構築方法やルートを理解することができ、開発のハードルが下がり、異なるシステムにより対応しやすくなる。

1つの生態圏に対して、とりわけ各種OSのベースのプラットフォームに対して、ソフトの使用量と市場占有率は、生き残り、成功するかを決める最も中核な要素だ。

ファーウェイの関係者は、「ファーウェイはこれまでにあらゆるシーンをカバーするスマート接続デバイスを10億台以上販売し、そのうちネットワークに接続したスマートフォンが7億台を超えた。ファーウェイのストック・販売中のスマホの約90%は『Harmony OS』へのバージョンアップが可能だ」と明かした。

デバイスについて、ファーウェイが発表したデータでは、「Harmony OS」には現在、1000社を超えるハードウェア生態圏の協力パートナーがいて、美的、九陽、老板電器などがその中に含まれる。ファーウェイの計画では、「Harmony OS」を搭載したデバイスの数は21年に3億台に達し、そのうちファーウェイのデバイスが2億台、生態圏の協力パートナーのデバイスが1億台になる見込みだ。この協力パートナーの1億台が、「Harmony OS」が生き残るためのカギになるとみられる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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