絶好調の中国ライブコマースの裏事情、プラットフォームが直面する倒産の危機―華字サイト

Record China    2021年6月8日(火) 10時10分

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海外在住中国人向けの情報サイトである留園網は、ネット通販のライブコマース用プラットフォームの運営企業の9割が、倒産の危機に直面していると指摘する記事を掲載した。

海外在住中国人向けの情報サイトである留園網は5日、ネット通販のライブコマース用プラットフォームの運営企業の9割が、倒産の危機に直面していると主張する記事を掲載した。

2015年には中国のネット通販による小売総額は3兆8800億元(約66兆円)だったが、19年には10兆6300億元(約182兆円)に達した。コロナ禍に見舞われた20年も11兆7600億元(約201兆円)と前年よりも増えた。多くの人が外出できなくなったことが、ネット通販にとって追い風になったとの指摘がある。

18年ごろから注目されるようになったのは、ライブ動画で出演者が商品を紹介するライブコマースだ。動画配信スタジオなどの設備を備え、出演者の手配なども行う「直播帯貨(ジーボー・ダイフオ)」などと呼ばれるプラットフォームが続々と設立された。しかし留園網掲載の記事によると、プラットフォームの経営は厳しい状況になっているという。

まず、ライブコマースでは、どのようなライバー(ライブコマースの出演者)を起用するかが売り上げに大きく影響する。記事は、ライバーは組織を背景にする必要がない指摘した。プラットフォームを利用しなくても、自宅でできてしまう仕事だからという。特に影響力が多いライバーの場合にはライバー自身に対するフォロワーが非常に多いので、ライバーにとってプラットフォームは大きな価値を持っていない。

一方のプラットフォームにとっては、従来型のネット配信企業とは異なり、ページビュー(PV)を集めるだけではビジネスとして成立しない。売上高を伸ばす必要があるが、そのためには才能あるライバーが必要になる。しかしそのためには、人材を探し出して長期に渡る訓練を施すという負担が発生する。

また、ライブコマースのプラットフォームには返品率が高いという問題もある。ライバーの話術や商品を勧める技術が高くても、しっかりとした商品の供給システムを備えていないと、返品率が向上してしまう。そうなれば、プラットフォームの収益性は低下する。

記事によると、ライバーの業績は両極化している。ライブコマースに1回出演しただけで数百万元(数千万円)を稼ぐライバーもいれば、月額で3000-5000元(約5万0000-8万6000円)しか稼げない人もいる。

プラットフォームも両極化しており、多くが淘汰される現象が発生している。記事は、21年にはプラットフォームの9割が消え去る可能性があるとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人

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