男性が不満、女性が夢中のスマホゲーム「摩爾荘園」、人気のわけは?―中国メディア

人民網日本語版    2021年6月10日(木) 14時50分

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最近、ゲームの世界でスマホゲーム「摩爾荘園(Mole Manor)」が大人気だ。

最近、ゲームの世界でスマホゲーム「摩爾荘園(Mole Manor)」が大人気だ。リリースから1週間にわたってランキングベスト3の座をキープし、6日連続で微博(ウェイボー)の検索トレンド入りし、たびたびホットな話題になった。そして5日夜に始まった3Dコンサートイベントにより、プレイヤーたちの熱は一気に最高潮に達した。

■ランキングの上位にある人気ぶり

2010年には、子どもを対象にしたプラットフォームの淘米網傘下にある「摩爾荘園」と「賽爾号(Seer)」などのバーチャルコミュニティーの登録ユーザー数が1億8000万人に上り、このうちアクティブユーザーは3000万~5000万人になった。

スマホ版「摩爾荘園」は上海淘米網絡科技有限公司のブラウザゲーム「摩爾荘園」制作チームが開発し、ゲーム運営プラットフォームの雷霆遊戯が今月6月1日にリリースし、持続的な人気が続いている。かつてブラウザゲーム版で遊んでいたのは小中高校生が、今では大学生や社会人になり、現在のSNSプラットフォームの中心になっており、スマホ版「摩爾荘園」が本当の意味で2021年のネット全体での注目ゲームになるのを後押しした。

モバイルアプリデータ分析プラットフォームの七麦データやスマホゲーム共有コミュニティーTapTapなどのプラットフォームのゲームランキングでは、「摩爾荘園」は1日にリリースされてから、ずっと上位をキープしている。七麦のiOS無料ゲームランキングでは首位の座を維持し、これまでベスト3を独占していた動画プラットフォームを上位から引きずり下ろした。

「摩爾荘園」が多くのランキングで上位に立つと、微博などのプラットフォームでもこのゲームをめぐって熱い議論が交わされた。微博のデータでは、リリースから現在までの6日間で一気に検索トレンド入りし、6日12時の時点で「摩爾荘園」と「摩爾荘園スマホゲーム」のページビュー数(PV数)がそれぞれ7億9000万回と2億6000万回に達した。

「摩爾荘園」の人気が続き、背後にいる企業も利益を手にした。公開された資料によると、「摩爾荘園」は淘米網絡が開発し、雷霆遊戯がリリースしたものだ。その雷霆遊戯はゲーム上場企業の吉比特の傘下にあり、吉比特も「摩爾荘園」の人気を受けて資本市場で好調な動きを見せた。

「摩爾荘園」のリリース直前、開源証券や華泰証券などが吉比特に「買い」の評価を与え、その理由として「摩爾荘園」を挙げた。また、リリース当日の吉比特の株価は8.73%値上がりし、その後も上昇が続き、4日には1株579.11元(約9800円)で取引を終え、時価総額が416億1700万に達した。

■男性は不満、女性は夢中に

「摩爾荘園」が熱狂的に迎えられたのは、このキャラクターが登場してから13年がたち、多くの「90後(1990年代生まれ)」や「00後(2000年代生まれ)」の成長と切り離せないからだ。このゲームで遊んでいる女性の耿さんは、「小学生の頃、当時の『摩爾荘園』で遊んでいて、クラスメートたちとゲームについてよく話していた。新バージョンの『摩爾荘園』が出ると聞いて、すぐに子ども時代を追体験したいという気持ちになったので、リリースされるとすぐにダウンロードした」と話した。

興味深いのは、男女でスマホ版の評価が大きく分かれることだ。複数の女性プレーヤーはゲームの中で中学生に戻ったような感じがするといい、そして金額はさまざまだがチャージもした。男性は「新人チュートリアル(操作方法の説明)があまりにも退屈で、アンインストールした」「ちょっと遊んだら眠くなった。テンポが遅すぎる」といった評価が一般的で、「ミニゲームが少なすぎる」「育成シミュレーションが面白くない」という評価もある。

微博、ショッピング・交流プラットフォームの小紅書、情報コミュニティサイトの豆瓣など女性ユーザーが多いプラットフォームでは、「摩爾荘園」のスレッドでは攻略法を紹介したり、友達を追加したりすることが多い。しかし男性ユーザーが多いゲーム交流コミュニティーのNGAの新版「摩爾荘園」専用ブロックでは状況が異なる。

一部の男性は「なぜこんなに人気があるのかわからない。どんな人が遊んでいるかに興味がある」と言い、別の男性は「魚釣りが大変過ぎる。一度にたくさんの魚が釣れないのか?」と言い、長時間プレーした人たちの評価の多くは、「スマホ版は『骨抜きバージョン』、『期待外れ』で、面白いミニゲームが出てこない。ブラウザ版の世界をあまり再現していないし、課金も多い」といったところだ。

スマホ版が多くの男性に人気がない原因のミニゲームの少なさは、実は女性が評価するポイントだ。つまり、「摩爾荘園」スマホゲームの引き算を認めていることだ。

ブラウザ版「摩爾荘園」はゲームの集大成で、育成シミュレーション以外にも10数種類のミニゲームがあり、例えば摩爾荘園の警察での「射撃ゲーム」、お城の2階での「パズルゲーム」などがあった。これに比べ、スマホ版はミニゲームをばっさりカットし、4種類だけにした。

■製品の改良が効果を挙げるかが今後のカギ

「摩爾荘園」は長年にわたるキャラクター運営とベテランプレイヤーたちの子ども時代を懐かしむ気持ちにより、リリースされてすぐにボーナスを獲得したが、プレイヤーをつかまえ続けられるか、市場からボーナスを得られ続けるかが、現在と今後の行く末を握るカギで、これはまたゲームの背後にいるチームと企業に影響を与えることでもある。

ゲーム産業アナリストの趙勇(ジャオ・ヨン)さんの見方によると、「今見た感じでは、『摩爾荘園』の人気は今後しばらく続くとみられる。大勢のプレイヤーがこのゲームに対してなお新鮮さと好奇心を強く感じているからで、同時にゲーム内での持続的なオンラインイベントもプレイヤーたちを引きつけ、短期的には高い人気を維持するとみられる。長期的にどうなるかはゲームの改良がプレイヤーの求めるペースに追いつくか、プレイヤーからフィードバックされた問題をタイミングよく処理・解決できるか、より多くの新しいコンテンツを持続的に提供して競争力を確かなものにできるかを見なければならない」という。

「摩爾荘園」の背後にいる吉比特はここ数年、業績は伸びているものの、「1つの製品に頼りすぎ」「過去の栄光にすがりついている」「開発の効率が相対的に低い」といった疑問があり、さらに過去の一時期に外部からゲーム市場でアクセス数を購入しているのではないかと懸念の声が上がり、こうしたことが何らかの影響を与えていることが注目される。

業界関係者によると、「摩爾荘園」は未完成のゲーム製品・ゲーム体験であり、今後の市場で不確実性が増大すれば、背後にいる企業の発展にも一定の影響を与える。趙さんは、「ゲームがリリースされた後の爆発的な人気が証明するのは、この製品が市場をつかんだこと、発展の可能性があることで、持続できるかは関連企業による専門的な改良と持続的なイノベーションが必要だ。両者は補完し合うもので、どちらも欠けてはいけない」という。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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