人民網日本語版 2021年6月20日(日) 23時30分
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ちゃんと計画を立てても、スマートフォンを見るとやめられなくなる。目覚ましが鳴っているのに、体が言うことを聞かなくて暖かい布団から出られない……。
ちゃんと計画を立てても、スマートフォンを見るとやめられなくなる。目覚ましが鳴っているのに、体が言うことを聞かなくて暖かい布団から出られない……こうした「あと1分だけ」の後で、「ああしまった!」と猛反省することは数え切れないほどある。銭江晩報が伝えた。
テンポの早い現代生活の中で、あと少し、あと少しと引き延ばす「引き延ばし症候群」は多くの人にとって共通の悩みになっている。
「自分が監督師の仕事をしていると知った友だちはみんなびっくりする。でもよく考えると、こういう仕事には確かにニーズがある」と笑いながら話す余本欽さんは、温州大学でネットワーク工学を専攻する大学3年生であると同時に、監督師というもう一つの顔も持つ。2018年に一人で起業し、今では3店舗のオーナーだ。
大学院の入学試験、資格取得、目覚まし係……余さんによると、「およそ考えつく内容であれば、うちの店で監督できないことはない」という。
■塾の先生役や、ついでにカウンセラー役になる時も
余さんの店には専門の作業ルームが設けられ、学校の中にある。こじんまりしたルームには事務机がいくつか並び、壁にはさまざまな監督サービスの広告ボードがかかっていて、なかなか様になっている。取り扱う商品コンテンツはそれほど多くなく、題字の上に「監督」の2文字が躍る。ルームで販売する商品はそれほど多いようには見えないが、実際にはなんでもありだ。
余さんは、「うちの監督サービスは全体として普通バージョンの監督と強化バージョンの監督に分けられる。モーニングコールにも普通バージョンと強化バージョンがある。一般的には、監督サービスを購入する顧客は前日までに計画を立てる必要があり、翌日の朝昼晩3回、計画任務の達成状況を監督師に報告しなくてはならない。強化バージョンの場合、監督師は計画を立てるのを全面的にサポートしたり、計画任務を達成するよう顧客に注意したりする」と説明した。
余さんの店はそれほど目を引くわけではないが、1カ月の利用者は500人から600人いる。その中では試験を受ける学生が多く、特殊な監督を希望する顧客も一定数いる。
余さんは、「こんなお客様に出会ったことがある。仕事が忙しくて子どもの相手が出来ないので、うちのスタッフに子どもを監督してほしいと言われた」と振り返った。
「監督」とは言っても、実際には遠隔の「子守」のようなものだ。監督師は動画を通じて子どもが宿題をする様子を監督し、わからない問題があれば、塾の先生役も務める。本来は親がすべき宿題のチェックのようなことも、監督師が代わりに行う。
監督サービスを依頼する中で、監督師に心の中を打ち明ける人もいる。「ある男子学生は、高校時代から好きな女の子がいたが、大学生になっても打ち明けることができず、友だち以上・恋人未満の状態がずっと続いていた。ちょうどうちの監督師が感情面のサポートに詳しいため、毎日、監督サービスのほかに、カウンセラー役も務めるようになり、この男子学生が新たな一歩を踏み出すのをサポートした」という。
すべての監督師がこれほど全面的な技能を備えているのだろうか。
余さんは、「顧客の需要に応える監督師を手配する」と笑った。
■監督師に応募するのは女子が多い、出身業界はさまざま
余さんが監督師の店を始めようと思ったきっかけは、自分をよりしっかりと律するためだった。大学に入ったばかりの頃、ゲームに夢中になって自分を見失ったが、ある時突然気がつき、自律的な生活に戻るよう自分を監督し後押ししてくれる人が欲しいと痛切に思った。時間がたつうちに、余さん自身は外からのサポートが必要なくなったが、店舗の監督師チームは徐々に規模が拡大していった。
余さんは、「今では監督師の仕事に応募してくる人が毎日十数人から20人ほどいる。学生、公務員、ファイナンス、教員など、出身業界はさまざまだ。応募者はテストとして実際の業務を1回担当し、顧客が満足すれば採用する」と説明した。
監督師に求められることは非常にシンプルだ。自律的であること、細かいところまで気がつくこと、時間があること、人を助けるのが好きなことだ。しかし実際のサービスではうまくいかないこともある。
余さんは創業当時を振り返って、「最も印象深かったのは初めてもらった悪い評価だ。当時、監督師に対する審査が甘かった。あるお客様が約束した時間に監督師からモーニングコールを受けられず、いろいろなことが間に合わなかったため、大変腹が立って、非常に低い評価をくださった」と話した。
余さんはこうしたケースについて非常に残念な思いをし、そこから経験と教訓をくみ取って、店の監督師に対する要求をより厳格にするしかなかった。
監督師に応募してくれるのは大半が若者で、女性が多い。余さんは、「おそらく女性はより細かいところまで気がつくからだろう」との見方を示した。店ではフルタイムの監督師を募集したこともあるが、現在は全員が兼業の監督師だ。監督師たちは毎日、約3~4件の依頼を受け、月収は1000元(約1万7000円)から2000元(約3万4000円)もあればよい方だ。
余さんは、「フルタイムだと一般の監督師より値段が高くなり、サービス内容もより全面的になるが、今の市場ニーズはそこまで多くない」と述べた。
余さんは、「監督師のサービスは自分を自律的な人間に変えたい人をサポートするというものだ。将来はより多くの人がこの業界に参入するだろう」と断言した。
余さんには、「監督サービスをブランド化し、監督を必要とするより多くの人をサポートする」という小さな目標がある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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