中国にはなぜ怪しい「神薬」が次々と現れるのか―シンガポール紙

Record China    2021年7月4日(日) 16時20分

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30日、観察者網は「中国ではどうして次々と『神薬』が出現するのか」とするシンガポール紙・聯合早報の報道を紹介する記事を掲載した。

2021年6月30日、観察者網は「中国ではどうして次々と『神薬』が出現するのか」とするシンガポール紙・聯合早報の報道を紹介する記事を掲載した。

記事は、聯合早報の28日付報道を引用。中国で現在「片仔癀」(へんしこう)という伝統薬が人気を集めており、6月下旬には北京、上海広州天津などの大都市にある店舗で品切れが続出したと伝えた。また、ネット上でも販売価格が高騰しており、あるショップではもともと1粒590元(約1万100円)だったものが1351元(約2万3200円)にまで値上がりしていたと紹介した。

そして、この状況について、新型コロナによって一部の天然薬材が手に入りにくくなっている影響との分析がある一方で、2004年の1粒125元(約2100円)から昨年には390元(約6700円)と3倍以上に値上がりしていることから、単に材料価格の高騰だけでなく、片仔癀自体が「神薬」として徐々に崇められるようになっていたことが大きな要因との見方もあると伝えた。

その上で、中国では片仔癀が消炎鎮痛薬として使用されていたものの、やがて「百病を治す神薬」扱いされるようになり、高級贈答品に利用する市民が増えていったと指摘。さらに昨年3月には中期、末期の肝臓がん治療に用いられると宣伝したことによりその「後光」が一層輝くことになったとしている。

記事は、中国では年々価格が高騰する「神薬」がこれまでにもしばしば出現しており、ロバの皮などを煮込んで濃縮した「東阿阿膠」も01年の1キロ80元(約1380円)から19年には約6000元(約10万3000円)にまで値上がりしたことなどを紹介。一方で、これらの「神薬」の多くは公的な機関から医療的な価値に対する「お墨付き」を得ていないと指摘し、聯合早報が「民間で『神薬』伝説が信奉され続ける限り、利潤を求める市場ではまた新たな『神薬』が生み出されることになる」と評したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

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