Record China 2021年7月10日(土) 12時20分
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中国当局は米ニューヨーク市場に上場した配車サービス大手「滴滴出行」のアプリ配信を停止させた。背景にあるのは国内で収集されたデータ流出への警戒感だ。Didi
中国政府は6日、国外で株式を上場する企業への規制を強化する方針を打ち出した。これに先立ち、中国国家インターネット情報弁公室(CAC)は米ニューヨーク市場に上場した配車サービス大手「滴滴出行」(Didi)のアプリ配信を停止させた。背景にあるのは国内で収集されたデータ流出への警戒感だ。
滴滴出行は時価総額で世界第2位の配車サービスアプリ。ロイター通信によると、評価額は約860億ドル(9兆5600億円)に上る。現在、ウーバーの評価額は約930億ドル(10兆3300億円)で、リフトは約200億ドル(2兆2200億円)だ。 6月30日にニューヨーク証券取引所で公開した滴滴出行の株価は、その直後に28%も上昇した。
アプリ配信停止の理由としてCACが挙げたのは、個人情報の収集と利用の両方で「重大な法令違反。違法に収集または使用されたとされる情報の種類は明らかにされていないが、滴滴出行は中国版ツィーター「微博」に投稿した声明の中で「命令に従い必要な変更を加える」と述べた。
新規ユーザー登録は一時停止され、アプリは「所轄機関の要件に厳密に従った是正のためにストアから外す」と声明には記されている。 アプリを既にダウンロードしているユーザーはこれまで通り使用することができ、乗客の移動やドライバーへの発注には影響がないという。
滴滴出行への措置について、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は「同社が米国に上場し、大株主は外国企業だ」と指摘。「中国は情報セキュリティーで厳しい監督を採用する必要がある」と主張し、「今回の命令は個人情報と国家の安全確保が目的」と分析した。
同紙は政府が集めるよりも詳細な個人情報を備える「スーパーデータベース」をインターネット企業が持つことを中国は決して容認しないとも断言。「ネット企業が業務で得たデータの全面活用も禁じる」との見通しを示した。
中国ではこのところ、巨大IT企業に対する締め付け強化が進んでいる。複数のIT企業がここ数カ月、独占的行為や消費者の権利侵害の疑いで調査を受け、過去最高水準の罰金や事業の大幅見直しを命じられた。
ジャック・マー(馬雲)氏らが共同で創業した「アリババ」は4月、独占的行為があったとする反トラスト当局の判断を受け、過去最高となる28億ドル(約3100億円)の罰金を科された。数日後には、やはりマー氏の企業帝国の一部であるアント・グループが事業見直しと中央銀行の監督を受ける金融持ち株会社への移行を命じられていた。(編集/日向)
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