Record China 2021年7月17日(土) 15時30分
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中国メディアの北京青年報は16日、重慶市で発生した幼児転落死事件の裁判が間もなく開かれると報じた。
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2020年11月2日、重慶市錦江区の団地で2歳半の女児と1歳半の男児が15階から転落して死亡した。住民らは当時、父親が現場で声を失うほど泣き崩れていたことをしっかりと覚えており、誰もが胸が張り裂けるような「事故」だと思っていた。ところが、事件から1カ月後に容疑者として逮捕されたのは、他でもないその父親だった。
同日午後3時半、団地の中庭でマージャンをしていた女性は「事故だ!」との叫び声を聞いた。マージャン仲間たちと現場に駆け付けると、幼い子ども2人が芝生に横たわり、動かなくなっていた。そばには父親らしき男性がパジャマ姿でしゃがみ込み、号泣していた。女性のマージャン仲間の中には、転落した2人の子どもの祖母がおり、現場を見るなり男性に「お前、子どもをどうしたんだい!」と叫んでいたという。
2人は、現場で泣き崩れていた張(ジャン)被告と20年2月に離婚した陳(チェン)さんとの間に生まれた子どもだった。2歳半の娘は陳さんが育て、1歳半の息子は張被告とその母親が6歳まで育てることになっていた。事件の前日、陳さんは娘を張被告の元に預けていたという。
「子どもが転落した」との知らせを受けた陳さんが急いで病院に向かうと、張被告は子どもたちが治療を受けるICUの前で頭を抱えていた。陳さんが問いただすと、張被告は座り込んだまま「俺を殺してくれ」とだけ言った。張被告はその後、事件当時のことについて「風邪薬を飲んで寝ていた。階下で誰かが何かを叫んでいるのを聞いて、子ども2人がいなくなっていることに気付いた」と説明したという。
2人の子どもは治療のかいなく死亡した。陳さんは、時間が経つにつれ元夫の説明に疑問を抱くようになった。娘は身長が90センチほどで、息子はさらに小さい。現場の状況から窓に登るのは相当難しいと感じた。また、転落したとみられる寝室の窓は簡単には開けられない仕組みになっており大人でも苦労するほど。子どもが自分たちで開けたとは思えなかった。さらに、張被告は事件後、友人に「自分は居間で食事をしていて、子どもたちは寝室で遊んでいた」と、陳さんにしたのとは異なる説明をしていた。
疑問を抱きながら1カ月ほどが経過した時、陳さんは警察から「2人の子どもの死亡は事故ではなく、張被告が交際相手の女と共謀して殺害した疑いがある」との連絡を受け、元夫の逮捕を知らされた。
思い返せば不可解なこともあった。張被告は事件の数週間前、洋服を買ってやりたいと娘を自宅に遊びに来させるように連絡していた。陳さんの母親は「今まで娘のことについて一切気にかけたことはなかったのに」と違和感を覚えたという。その翌週にも、張被告は陳さんに娘を連れてきてほしいと伝えた。11月1日に娘を預け、その後迎えに行くと「姉弟でもっと遊ばせたいから」と娘を返すのを拒んだ。陳さんは「改心して娘に会いたい気持ちが強くなったのか」と深く考えなかった。娘が「お父さんに会いたいけど誰か分からない」と話す様子に寂しさを感じていたこともあり、結局、張被告の要求通りに娘を泊まらせたという。
警察の捜査の結果、張被告は交際相手の葉(イエ)被告と娘を自宅に引き留め、犯行の機会をうかがっていたことが分かった。10月に陳さんらが張被告の自宅を訪問した際は、陳さんがずっと付き添っていたため犯行に及ばず、11月1日は張被告の母親が自宅にいたため犯行を見送った。そして、事件当日の2日、張被告は自身の母親が外出している間に、寝室で遊んでいた2人の子どもを抱え上げ、窓から投げ落としたとみられる。
張被告が葉被告と知り合ったのは陳さんとの結婚生活が続いていた時だった。葉被告には既婚で子どもがいることを隠して近づき、交際した。その後、張被告と陳さんの間で協議離婚が成立したものの、葉被告は張被告に子どもがいるという事実を知り、「子どもがいるなら一緒にはなれない」と何度も告げていた。
そこで、張被告と葉被告は2人の子どもの殺害を計画。事故に見せかけて窓から落とす方法を決めた。チャットの履歴から、当初は自動車事故を装って川に突っ込み2人を溺死させる計画も検討していたが、リスクが高く車に保険がかかっていないため転落死を選択したことが分かった。また、張被告の携帯電話には「2人の子どもが一緒に転落する可能性」との検索履歴も残っていた。葉被告はそれから何度も犯行を促すメッセージを送っていた。
現場近くの住民からは、父親が殺害した可能性があることに「信じられない」との声が上がっているという。この事件の初公判は7月26日に開かれる予定だ。(翻訳・編集/北田)
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