乗組員300人の韓国駆逐艦で新型コロナ集団感染、ワクチン接種者はゼロ=韓国ネット「これがK-防疫?」

Record China    2021年7月19日(月) 10時40分

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15日、韓国・朝鮮日報によると、アフリカ海域で任務を遂行した海軍の駆逐艦「文武大王」の乗組員6人が新型コロナウイルスに感染し、感染が疑われる症状が出ている乗組員も80人に上ることが分かった。資料写真。

2021年7月15日、韓国・朝鮮日報によると、アフリカ海域で韓国船舶保護の任務を遂行した海軍清海(チョンヘ)部隊第34陣の駆逐艦「文武大王」(4400トン級)の乗組員6人が新型コロナウイルスに感染し、感染が疑われる症状が出ている乗組員も80人に上ることが分かった。同駆逐艦には約300人が乗船しているが、1人もワクチン接種を受けていなかったという。

記事によると、清海部隊第34陣は2月にソマリア沖のアデン湾に派遣され、来月初めに交代を控えていた。今月2日に風邪の症状の患者が発生したが、軍はコロナ感染の検査を実施せず、風邪薬のみを与えた。10日には多数の兵士が風邪の症状を訴えたため、約40人に精度の劣る簡易検査を実施したところ、いずれも陰性だった。ところが13日になり、6人のサンプルを隣接国に送りPCR検査を依頼したところ全員、陽性だったという。幹部1名は重症で肺炎の症状が出ており、14日に現地の病院に移された。

政府関係者によると「状態はかなり良くない」というが、この幹部が新型コロナに感染しているかどうかは確定していない。合同参謀本部は「乗組員約300人のうち約80人に症状が出たため、集団隔離し、PCR検査を実施した」とコメントしている。結果はまだ出ていないが、かなりの人数が感染している可能性があるとしている。残りの乗組員についても、一両日中に全員、検査を行う方針だという。また、合同参謀本部は事実上、作戦を中断しており、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が防疫と医療の人材と装備を迅速に現地に派遣するよう命じたという。

最初に風邪の症状が出た乗組員を確認してから10日以上、対応をしなかったことに対する批判の声が上がっている。軍は「感染者と症状のある者は艦内の別途施設に隔離している」と説明しているが、艦内の環境上、「1人1室」隔離は不可能なため集団隔離となっている。症状のある者が検査を受けられないまま1カ所に集まっているため、感染拡大の可能性が指摘されている。

また、「世界中で新型コロナが猛威を振るう中、韓国軍は危険地域に派兵する兵士の安全を軽視していた」との批判も出ているという。軍は2月の派遣前に全乗組員のPCR検査を実施しており、全員が陰性だったため、外部と隔離される艦艇の特性上、安心していたという。しかし「現地に停泊し物資を受け取る際などにウイルスが持ち込まれる可能性については、深刻に考慮していなかったようだ」と記事は指摘している。「文武大王」は先月28日から今月1日まで、寄港地に接岸していた。

ある政界関係者は「韓国は開発途上国でもないのに、派遣部隊のワクチン接種を計画しなかったのは軍上層部の職務怠慢だ」と批判しているが、軍関係者は「ワクチン輸送や接種後の副反応対策などの策定が容易ではなかった」とコメントしているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「海を守るために派遣しておいて、どういうこと?」「これがK-防疫か?」「海の上の監獄だな」「韓国のために海外で苦労している上に病気にまでなるなんて」「軍隊はいつになったら変わるのか」「あんまりだ。海外派兵なのに、ワクチンも打ってくれないの?」などの声が寄せられている。

一方で「出国した時はまだワクチンが出てなかったんだ。政治的な論争をせず、みんなの安全な帰国を祈ろう」「兵士の皆さんが早く完治しますように」「2月に出発したのなら、ワクチンがなかった時だから、そこは責めるべきではない。現地では防護服を着て作業していたそうだよ。艦内は特性上、空気の循環もよくできない状況だったし。とにかく、無事に帰還してほしい」というコメントも多く寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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