中国をめぐる「コンテナ危機」で、ドイツはじめ欧州の物価が上昇―独メディア

Record China    2021年7月20日(火) 5時20分

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中国をめぐる「コンテナ危機」が原因で、ドイツをはじめ欧州で物価が上昇している。写真は直近の「コンテナ危機」の発生源とされる深セン市の塩田港。

ドイツメディアのドイチェ・ベレは17日、中国をめぐる「コンテナ危機」が原因で、ドイツを始め欧州で物価が上昇していると指摘する記事を掲載した。

「コンテナ危機」とは、物流が滞ったり方向性が偏よったために「必要な場所で必要な時に使えるコンテナ容器が不足する」現象を指す。最近になり発生した目立つ状況としては、広東省深セン市の塩田港で5月に発生した「コンテナ危機」がある。

塩田港を発生源とする「コンテナ危機」の引き金は、広東省で新型コロナウイルスデルタ株の感染が発生したことだった。感染拡大そのものは小規模だったが、地元当局は港湾にも厳格な感染拡大防止策を適用した。多くの作業員は自宅での隔離待機の対象となり、港湾の貨物取扱い能力は半減した。中国の工場は必要とする部品や機械類、原料を期限通りに入荷できなくなった。中国企業が製造してパソコンや携帯電話なども積み出せなくなった。

塩田港の構内には、大量の「空コンテナ容器」が山積みされることになった。数週間後には感染防止拡大策の大部分が解除されたため、港の機能は回復に向かった。しかし大量に山積みされたコンテナ容器の整理には時間がかかることになった。

塩田港で始まった「コンテナ危機」は、「(大量の荷物を背に乗せた)ラクダを押しつぶした最後のわら1本」ということができる。中国は2020年初期に始まった「新型コロナウイルス危機」が比較的早い時期に克服できたため、同年秋には多くの企業が操業を正常化させ始めた。しかし中国以外の国での工業生産の回復は遅れた。そのため、中国国内ではコンテナ容器の深刻な不足が発生した。多くの業者は中国国外から中国への「空コンテナの輸送」を始めた。しかし、「使えるコンテナの偏在現象」は解消されていない。

ドイチェ・ベレによると、中国国内で操業しているドイツの中小企業の関係者は取材に対して「コンテナ危機が生存の危機をもたらしている」と述べたという。輸送費の方が貨物そのものよりも高価になるといった現象も発生しているからだ。

ドイツのキール大学世界経済研究所(IfW)のガブリエル・フェルバーマイヤー所長は取材に対して、中国に端を発するコンテナ危機は、全世界のサプライチェーンに混乱を招いた。ドイツの消費者は猛烈な物価上昇を感じることになると説明。「極東で物流の困難が発生したことで、われわれはたちどころに価格上昇を感じることになる。今後数カ月、極東からもたらされる商品の価格はいずれも、目に見えて上昇するだろう。われわれは準備せねばならない」と述べたという。(翻訳・編集/如月隼人

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