韓国ではここ1年で、TikTok、AliExpressなどの中国製アプリの利用者が大幅に増加しているという。8月10日、韓国メディア・ヘラルド経済が報じた。

記事によると、韓国で今年7月における、中国のショートビデオプラットフォーム「TikTok」の月間アクティブユーザー数（MAU）は413万人。2020年7月の数値が377万人であったのに対し、1年で約36万人増加しており、現在韓国国民の100人に8人は1カ月に1回以上TikTokを利用しているという計算になる。

中国のオンラインショッピングアプリ「AliExpress」の利用者も急激に増えているという。AliExpressのMAUは20年7月に112万人だったが、今年の7月は162万人となり、40％もの急増を見せた。この他にファッション系オンラインショッピングアプリ「SHEIN」（5万から21万人へ）、中国企業シャオミのスマートホームアプリ「Mi Home」（38万から49万人へ）やヘルスケアアプリ「Mi Fit」（65万から71万人へ）なども韓国で数十万人のユーザーを保持している。

しかしこれらのアプリはすべて、20年8月に韓国で物議を醸した「絶対に削除すべき中国アプリ」のリストに名を連ねているという。このリストは 米国とインド政府が個人情報保護の目的で中国製アプリの使用を制限した状況を受けて韓国のユーザーが作成し、アプリの削除を促すためのものだった。

記事は「1年が過ぎた今も、中国製アプリによる個人情報流出の懸念は消えていない」と指摘。TikTokは7月より「個人の身体的特徴・特色や音声の特質、顔の画像を収集することができる」との内容を「プライバシーポリシー」に追加し、ユーザーの同意なしに生体情報を収集されることへの不安が高まっている。またAliExpressの場合は購入過程で入力したカード情報が流出し、ベトナムなどの地域で使用される事件が起きているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「自分の個人情報が売られているとも知らずに喜んで利用しているとは」「だからTikTokが流行した時も絶対にインストールしなかった」「韓国の芸能人もTikTokでよく動画を公開してるけど、彼らは自分の携帯ではなく業務用の携帯を使ってるんだよ。何も考えずにインストールしてる一般の若者の個人情報は、中国に奪われている」「この世にタダはない。あらゆるビジネスマインドを超越する賢明な知恵が必要な時代」など、批判的な意見が相次いでいる。

また、「なぜ消費者に削除しろと言うの？政府がアプリのブラックリストを作って法的に流通を禁止すればいい」「文大統領も新年のあいさつをTikTokにアップしてたよね」など、政府に対する不満のコメントも見られた。（翻訳・編集/丸山）