Record China 2021年8月12日(木) 19時20分
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中国湖南省の中学校のグラウンド下から男性教師の遺体が発見された事件をめぐり、遺族の承諾を得ないまま事件の映画化が進められていたことが判明し、批判の声が上がっている。
2019年6月に中国湖南省の中学校のグラウンド下から男性教師の遺体が発見された事件をめぐり、遺族の承諾を得ないまま事件の映画化が進められていたことが判明し、批判の声が上がっている。
19年6月に同省懐化市新晃トン族自治県の中学校のグラウンドから、2003年1月に失踪した鄧世平(デン・シーピン)さんの遺体が発見された。別の事件で取り調べを受けた杜少平(ドゥー・シャオピン)元死刑囚が、仲間と共謀して鄧さんを殺害しグラウンドに埋めたと自供、警察が捜索し、遺体発見に至った。
同校の教師だった鄧さんは03年当時、グラウンドの手抜き工事を指摘。工事承諾書へのサインを拒否し、県に報告した後に行方が分からなくなっていた。工事を担当していた杜元死刑囚は当時の校長の甥にあたる人物で、校長を含め組織的な隠ぺいがあったとされる。事件をめぐっては計25人が逮捕され、杜元死刑囚の刑は20年1月に執行された。
中国社会に衝撃を与えた事件だが、遺族の承諾を得ないまま映画化の話が進んでいたようだ。紅星新聞によると、8月10日に「操場(運動場、グラウンド)」とのタイトルでの映画化が発表されたことについて、被害者の娘の鄧玲(デン・リー)さんは「撮影チームは遺族の承諾を得ていない。事件がいい加減に改変されてしまうことが心配」と語った。
また、遺族の弁護を担当する周兆成(ジョウ・ジャオチェン)弁護士は、今回の件が将来的に権利侵害紛争になると見通し、制作者側に当事者と協議し、遺族の承諾を得てほしいと求めている。
ネットユーザーからは「制作側は何を考えているのか」「金儲けのためなら何でもするんだな」「とりあえず、相手を尊重すべき。話し合いもしてないなんてひどすぎるのでは?」「刑事事件を映画化することが権利侵害になるのかどうかは分からないが、遺族の承諾を得ていないなら道徳的に問題ありだ」「もしいい加減に編集されたら、何年も苦しんでいる遺族の心に刃を突き立てることになる」「映画のテーマとして選ぶことは問題ないし、勇気があることだ。しかし、遺族らに黙っているというのはだめだ。これは他人が受けた苦しみであり、適当に映画にしていいものではない」など、批判の声が殺到している。
なお、映画は現在準備段階で、10月にクランクインの予定だという。(翻訳・編集/北田)
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