人民網日本語版 2021年8月13日(金) 13時0分
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歩いている時、食事をしている時、乗り物に乗っている時、買い物をしている時……現代人はどこにいても、何をしていても、目と耳がスマートフォンから離れることがほとんどないようだ。
歩いている時、食事をしている時、乗り物に乗っている時、買い物をしている時……現代人はどこにいても、何をしていても、目と耳がスマートフォンから離れることがほとんどないようだ。「大分前からスマホの沼にはまっている」状態で、多くの若者が今、本来は生活や勉強にあてるべき時間を取り戻そうとしている。興味深いのは、時間を取り戻そうとする若者が、ニッチ市場を形成していることだ。中国青年報が伝えた。
■「どうやってスマホから離れるか」が若者の新たな悩みに
浙江科技学院を今年卒業したばかりの葉さんは目下、大学院の入試準備をしているが、「深刻な引き延ばし癖」とスマホが最大の「敵」だという。大学近くに自分で部屋を借りて住んでいる娘を心配する両親は、偶然にニュースで「監督師」のサービスを知り、すぐに申し込んだ。葉さんは最初は複雑な気持ちだったが、実際にサービスを2週間体験してみたところ、勉強が大いにはかどったという。
ショッピングプラットフォームを検索してみると、学習監督サービスを専門に提供するネットショップがたくさんあることがわかる。中には創業3~6年という「老舗」もいくつかあり、ニーズに応じてスタンダード監督サービスと強化版監督サービスの2種類から選べるようになっている。プラットフォームが公開したデータによると、こうした店舗の多くは1カ月あたりの売り上げが100件を超える。あるネットショップの顧客サービス担当者は取材に、「うちは試験の種類に応じて適切な学歴をもった監督師をマッチングする。500元(約8500円)で1カ月間、1200元(約2万円)で3カ月間の監督サービスを提供する。監督師はお客様と一緒に計画を立て、入試準備のアドバイスをし、やる気にさせる。また、監督師のサービスコンテンツはお客様に応じたオーダーメイドが可能で、勉強の監督以外にも、仕事、生活時間、ダイエットの監督などのコンテンツも提供できる」と話した。
葉さんは人による監督だけでなく、時間管理のアプリケーションも普段から利用している。学習計画に合わせて決まった時間になると知らせるだけでなく、オンラインで「自習室」を設定することもできる。「設定した時間内はスマホの画面を切り替えられない。つまりスマホをロックしたのと同じことになる。ルームメイトと一緒にオンライン自習室を立ち上げ、毎日お互いの勉強時間をチェックしていて、5時間未満だと退場させられる」という。
西安交通大学に通う大学院生の鄭凡非(ジョン・ファンフェイ)さんは昨年の大学院入試準備期間に、人による監督や時間管理アプリではなく、「スマホ時間設定ボックス」を購入し、本当にスマホをロックしてしまった。「いつもチャットしたりショート動画を見たりしていて、入試準備中もスマホを手放せなかった」と鄭さん。スマホ時間設定ボックスとは設定された時間が過ぎるまで開けられないプラスチックの箱で、「予定時間にならないと開けられない。ロックすると、電話も出られなくなる」ものだ。
あるショッピングプラットフォームではこうしたボックスを扱う店舗は数百に上り、実にいろいろな種類の商品があって、価格は数十元から100元あまりとさまざまだ。1カ月の売り上げは最高で2000個を超え、新しい「ニッチ市場のネットで人気の神アイテム」になった。
■悩みの背後に新職業・新市場
スマホから離れて、時間を勉強に充てるのが、今の向上心ある若者の新たなニーズで、このことが大きな市場も生み出している。人によるサービスからアプリまで、さらには外部のデバイスまで、業者がそれぞれの強みを発揮する。
スマホ時間設定ボックス「keepinbox」を設計・生産する「90後(1990年代生まれ)」の青年起業家の堵舜(ドゥー・シュン)さんは、かつて大学院入試前にスマホの「深刻な依存状態」になった。「電話した後でショート動画を見ていると、1~2時間があっという間に過ぎてしまう。そこでこういう商品を打ち出して、同じように『スマホの沼にはまっている』人が自分を律するのをサポートしようと思った」とこれまでの経緯を語った。
堵さんはさらに、「自分が考える商品は、ただ単にスマホをロックするだけではだめだった。それだと生活や仕事に支障があるからだ。うちの商品は5分から12時間までの間で自由に時間を設定できる。電話を受ける窓口、充電の差し込み口、自習室の静音モデルが備わり、緊急プログラムもあって2回まで緊急解除ができるようになっている。このプロジェクトが動き出した当初、訪問や調査研究を通してニーズのあることはわかったが、経験がないのと新型コロナウイルス感染症が発生したため、第一世代の商品をオンラインで売り出せたのは昨年5月になってからのことだった」と振り返った。
堵さんは、「発売から5カ月で第1期生産分の5000個が完売した。これまでに5万個近くを販売した」と述べた。
監督師の店を経営する「95後(1995年から1999年生まれ)」の余本欽(ユー・ベンチン)さんは、温州大学に入学してすぐに淘宝(タオバオ)に登録した監督師の店舗が、今では2つの支店を擁し、1300人を超える監督師を抱えるまでに成長するとはこれまで想像だにしなかったという。「大学に入ってすぐにゲームに夢中になった。自分を律して勉強に戻すために、監督してくれる人を探した。その後、時間を取り戻して自分を律する必要のあるより多くの人をサポートしようと考えたが、経営の経験がないので、店舗は登録後ずっと管理する人がいない開店休業状態だった。当時、同じような店がすでに4~5店はあった」
2018年4月になり、余さんは監督師のサービスをプラットフォームで検索する人がたくさんいることに偶然気づいた。そこで自分で店舗を運営することにした。18年の1カ月の売り上げは80~100件で、19年から増加し始めたが、サービスの質を保証するため、月200件前後にセーブした。20年はニーズがさらに高まったが、月400~500件前後にセーブした。「現在は淘宝プラットフォームに店舗を開設しただけでなく、一部の教育機関と協力し、(ショート動画供給アプリの)『TikTok(ティックトック)』や(ショッピング・交流プラットフォームの)『小紅書』などのプラットフォームでもサービスを打ち出しており、受注件数はますます増えている」という。
余さんの店舗の注文を見ると、親が子どものために注文するケースもあれば、大学の各種資格試験の準備をする学生や留学生が自分のために注文するケースもある。また、サラリーマンが一定期間内の仕事の進捗管理をするために注文するケース、さらにはダイエットや早寝早起きのために注文するというケースもある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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