Record China 2021年8月14日(土) 13時30分
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ドイツメディアのドイチェ・ヴェレは12日、台湾の世論調査で65%の人が「戦場に行く」と回答したことについて、専門家から「戦争への認識が不足している」との指摘が出ていると報じた。
台湾のシンクタンク・台湾制憲基金会は10日、台湾での最新の世論調査の結果を発表した。それによると、自分を「台湾人」と認識している人は67.9%だった一方、「中国人」と認識している人は1.8%だった。「台湾人であり、中国人でもある」という人は27.8%だったが、どちらか一方を選ばせたところ「台湾人」と認識している人が全体の89.9%に上った。また、軍事的な緊張が高まっていることについて、36%が「台湾防衛のために戦場に行く」、28.3%が「戦場に行くかもしれない」と回答しており、併せて65%近くに上った。
記事によると、台湾淡江大学国際事務・戦略研究所の黄介正准教授はこの世論調査について若干の偏りはあるものの「国際的に孤立し、圧迫されている多くの台湾人の感情を反映していることは確かだ」と述べた。
一方で、中国が台湾を武力攻撃した際に戦場に出るかを問う質問項目があることについて、黄氏は「こうした質問は精神道徳に関わるもの。ほとんどの台湾人は(このように問われれば)ノーとは言わないだろう」と指摘。台湾人の防衛意思についてより効果的に答えてもらうためには、より多くの背景情報を提供しなければならないとした。
黄氏は「人々は中国による台湾攻撃は必ずしも起こるものだとは感じていない」と指摘する。台湾国際戦略学会などが今年3月に発表した世論調査の結果では、台湾人の63.3%が「中国は台湾を攻撃しない」と考えていた。また、台湾メディアの世論調査センターが2020年10月に行った世論調査によると、中台に衝突が発生した場合、18、19歳の96%が「戦場に行きたい」と考えているものの、彼らのうちの87%が徴兵制の復活には反対していた。
黄氏は「彼らは、徴兵制は自分の生活に身近に関わっていると感じているが、戦場に行くことはそうではないと考えている」と分析した。
台湾制憲基金会の世論調査では、中国が台湾に派兵した場合、「米国が協力してくれる」と考える人は7割、「日本も協力してくれる」と考える人は6割5分だった。国防安全研究院の陳亮智副研究員は「これは米国と日本がここ数カ月間、台湾問題で強硬な姿勢を示していたことが関係している」との考えを示し、「特に日本の異例の態度表明は、西太平洋における米国の力を強化することになっただけでなく、中国に台湾問題の複雑さを意識させた。これらの現象は台湾の自信を高めた」と指摘した。
一方で、「台湾政府はこれで満足してはいけない」とも強調。「台湾は米国と日本にすべてを背負わせるのではなく、国際社会に訴え続け、第一線の責任を担っていかなければならない。この責任には、困難な状況で中国との対話を目指すこと、台湾人民が戦争の可能性に備えられるようにすることも含まれている」との見方を示した。
陳氏は「台湾社会には戦争についての議論が不足している。人々はネット世論調査で戦場に行く用意があると言っているが、実際はどうだろうか」と疑問を投げかけた。そして、まずは台湾軍の最近の数回の予備軍の動員状况から、一般市民が戦争にどの程度の準備をすることを望んでいるかを見極めるよう提案した。
その上で、「自らの軍事力を強化することは必須だ。台湾は日米と西側社会に、自己防衛という台湾の決意を見せなければならない」と語ったという。(翻訳・編集/北田)
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