<卓球>伊藤美誠、中国からの批判「気にしていない」=中国ファンに感謝も―中国紙独占インタビューで明かす

Record China    2021年8月13日(金) 12時0分

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東京五輪に出場した卓球の伊藤美誠が中国紙・環球時報の独占インタビューに応じた。同紙13日付の記事に掲載された。

東京五輪に出場した卓球伊藤美誠が中国紙・環球時報の独占インタビューに応じた。同紙13日付の記事に掲載された。

今大会、伊藤は混合ダブルスで水谷隼とペアを組み、決勝で中国の許昕(シュー・シン)・劉詩雯(リウ・シーウェン)ペアを破って金メダルを獲得した。女子シングルスでは準決勝で孫穎莎(スン・インシャー)に敗れたが3位決定戦に勝利し銅メダルを獲得。女子団体では孫との再戦に敗れたものの銀メダルを獲得した。

記事によると、伊藤は混合ダブルスでの優勝について「日本が初めて五輪の舞台で中国チームに勝つことができたので、とてもうれしいです」と語った。また、東京五輪に備え、数年にわたって“打倒・孫穎莎”を掲げて日々練習に打ち込んできたことを明かしたという。

記事は「2人が対戦するのは今回が初めてではない」と指摘。昨年11月、山東省威海市で行われた卓球ワールドカップ女子シングルス準決勝で孫が伊藤に4-2で勝利したことに触れ、「最近、ネット上で広まっている伊藤が孫におにぎりをあげる動画は、その大会での舞台裏を記録したもの。2人は試合の合間に2時間以上練習を共にし、互いに筋肉を触ったりもした。伊藤は孫の筋肉量が多いことに『すごい』と驚いていた」と伝えた。

中国のネット上では、伊藤が幼少期に寝ていた時、母親が「中国に勝てるのはあなただけ」とささやいていたことが話題になった。インタビューで伊藤は「確かに小さい時から中国選手に勝つことを考え、そのためにすべてを注いできました」と語った。ただ、伊藤が進歩すると同時に中国選手も進歩していたため、「どうすれば中国に勝てるのか」を常に考えるようになったという。

伊藤は「中国選手との対戦をいつも楽しんでいます。試合をして、練習して、また試合をして、練習しての繰り返しです」としたほか、同い年の孫について「自分の成長を促してくれる特別な存在」と語り、11月に米ヒューストンで行われる世界卓球選手権で再戦する機会があれば「やっぱり孫選手に勝ちたい」と意欲を見せたという。

記事は続いて、「大魔王」との呼称に言及する。「中国の観客が伊藤に注目し始めたのは2018年のスウェーデンオープンだった。当時18歳の伊藤は、劉詩雯(リウ・シーウェン)、丁寧(ディン・ニン)、朱雨玲(ジュー・ユーリン)ら中国トップ選手を破り優勝した」とし、この時に環球時報が「警戒せよ!日本女子に“大魔王”現る」と報じていたことを挙げ、「これが、中国メディアが初めて伊藤に“大魔王”の呼称を用いた報道とされている」と説明した。

伊藤はこの報道を覚えているといい、「“大魔王”はとてもカッコよくて、うれしいです。ずっと“大魔王”でい続けたいです。もちろん、負けたら“大魔王”とは言えないので、試合に勝つ実力を持つだけの強者になりたいです」と語ったという。

東京五輪をめぐっては、中国のネット上で伊藤への批判的な声も多く上がった。伊藤はこうした声を「気にしていない」とし、「アスリートは単純に全力で試合に挑んでいるだけで、最後には金メダルを取る人もいれば、銀メダルを取る人もいます」「卓球に興味を持ってくれる人がもっと増えて、日中が互いに励まし合って、共に成長していくことができれば良いと思います」と殊勝に語ったという。

記事は、伊藤や孫を含めて、卓球選手はそのプレーぶりなどから中国メディアで「凶暴」「凶悪」など「凶」の字が用いられる単語で表現されることが多いものの、「実際の選手同士の関係は外から想像されるような一触即発状態ではない」とし、伊藤が「私たちは会うと普通の女の子みたいにおしゃべりします」と語ったことを紹介。中国語があまり得意ではない伊藤は、流ちょうな中国語を話せる石川佳純に通訳をしてもらって談笑することもあるのだという。伊藤はまた、孫が「ジャンケンの達人」でもあることを明かし、誰も勝てないと話していたそうだ。

このほか、「もし中国の男子選手の中から混合ダブルスのパートナーを選ぶとしたら?」との質問には、「私はいつも左の選手と組んでいるので」と許昕や同い年の王楚欽(ワン・チューチン)の名前を挙げた。

記事によると、伊藤は最後に中国のファンに感謝を述べた。中国で試合をする時に独特な技を出すと会場が沸いてくれ、惜しみない称賛の声があがるといい、それが「うれしくて力になる」と話したという。(翻訳・編集/北田

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