鳩山由紀夫元首相が程永華元駐日大使と対談「中国は決して脅威ではない」

人民網日本語版    2021年8月23日(月) 13時0分

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鳩山由紀夫元首相と中国の程永華元駐日大使が「中国の発展は脅威なのか、それともチャンスなのか」をめぐり対談を行った。

「今日の中国を理解するには、中国共産党を理解しなければならない」。中国は西側と異なるモデルを用いて、人類史上未曾有の速度と規模の発展を実現した。これは中国に発展をもたらしただけではなく、自らの国情に合った発展の道を歩み、さらに素晴らしい社会制度を探求するよう多くの国々を鼓舞した。

中国共産党が創立100周年を迎えるにあたり、人民網では特集「中国を読み解く(UNDERSTAND CHINA)」をお送りする。各国政界の要人や国内外の学者を対談に招き、異なる視点の意見交換や意思疎通を通じて、真実の、立体的かつ全面的な中国を読み解いていく。

今回は日本の鳩山由紀夫元首相と中国の程永華元駐日大使が「中国の発展は脅威なのか、それともチャンスなのか」をめぐり対談を行った。

■「中国は決して脅威ではない」

21世紀に入って以来、中国経済の持続的な急成長にともなって、「中国脅威論」が勢いを増した。これについて鳩山氏は、「私自身は中国を決して脅威だとは思っていない」と述べた。

鳩山氏は、「30年前、中国経済は米国経済の7%にも満たなかった。当時は、米国は中国のことを本気で心配をすることもなかった。ただ今日、中国のGDPはすでに米国のほぼ7割になり、購買力平価ではもう逆転しているとすら言われている。しかも2019年には特許の件数でも中国が米国を抜いてトップに躍り出た。中国はさまざまなものを模倣して今日の経済を発展させてきたなどというような時代ではないということだ。米中の力の接近という状況が続いていく以上、『中国脅威論』というものが米国から、あるいは世界からなくなることはないと思わなければならない」と指摘。

さらに、「米中対立がこれ以上進む前に、地球温暖化の問題や新型コロナ対策で両国の協力の実績を示すことが、極めて重要だ」との考えを示した。

程氏は、「中国としては、あくまでも平和的発展を実現し、実行していく。中国の発展のスローガン・モットーは、平和、発展、協力、ウィンウィンであり、中国自身の平和的発展を実現し、世界各国と共同の繁栄・発展を実現していく」と述べた。

40年以上にわたる外交官人生において、程氏は駐日大使を9年以上務め、駐中大使として最長記録となった。現在の中国外交について程氏は、「習近平国家主席が繰り返し述べられているように、中国は国際的に公平、正義を求め、人類運命共同体、また新しい形の国際関係の構築を推進していく。国際的な公平と正義を守るために、そして中国自身の平和的発展を守るために、中国は当然これに異なる声に対しては声を出して、中国の主権、安全、発展の利益を守り、自分の進むべき方向をあくまでも堅持していくものだと理解している」と述べた。

■無限の可能性を持つ「一帯一路」イニシアティブ

「中国という巨大な経済大国と欧州、さらにアフリカを結んで、いわゆるユーラシアを中心に、世界中と結んで貿易と経済を活性化させ、途上国の発展も行っていく」。鳩山氏はこのように述べ、さらに、「途上国の貧困の克服や、あるいは経済連携を通じた繁栄の拡大、それらを通じて世界を安定させていくことなど、『一帯一路』は非常に無限の可能性を持っているのではないか」との見方を示した。

中国商務部のデータによると、2021年1月の時点で、中国はすでに171の国・国際機関と205件の「一帯一路」共同建設に関する協力文書に調印している。また、2020年、中国と「一帯一路」沿線国との物品貿易額は前年同期比0.7%増の1兆3500億ドルに達し、国際定期貨物列車「中欧班列」の運行本数は同50%増の1万2000本以上となった。

程氏は、「昨年、新型コロナウイルスが世界の経済と社会に対して非常に大きなマイナスをもたらした。しかし、一帯一路をめぐる協力は、ユーラシア大陸やアフリカ、あるいはラテンアメリカ、南アメリカにまで、その産業チェーンとサプライチェーンを維持し、保障するために大きな役割を果たした。これがまさに皆のために利益、福祉をもたらすものだということを皆がますます認識するようになり、一帯一路は将来に向けてもますます明るい未来を見せていると思う」と述べた。

日本での「一帯一路」の受け止められ方について程氏は、「日本の一帯一路に対する認識、また取り組みについて言えば、時間的に一つの経過があると思う。また、分野別に認識が少しずつ違うところもある。時間的に言えば、最初は一帯一路とは何かという疑念や警戒も多少あったと、東京にいた私は感じた。しかし、実際に参加する国も徐々に増えて、皆のために利益になったと日本の方々も思うようになり、興味を感じて私の話も聞いてくれて、その一部の企業がむしろ実質的に参加するようになった。例えば、中国と日本が第三者市場協力について互いに合意した。それはもちろん、一帯一路という大きな枠組みのもとで互いに協力し、中国と日本が互いに競争をするのではなく、協力して第三国で一緒に協力し、進めていこうという話だ。また、北京で実際に行われた2回にわたる一帯一路の国際ハイレベルフォーラム、いわゆるサミットに対しては、日本はいずれもかなりレベルの高い、また人数の多い大型代表団を派遣して参加した」と述べた。

■地域経済協力の潮流は止められない

現在、新型コロナウイルス感染が世界中で拡大し、世界経済は深刻な打撃を被り、一国主義や保護主義が台頭している。これについて鳩山氏は、「一国主義とか、あるいは保護主義、デカップリングが懸念されているが、地域経済協力は世界史とアジア史の大きな流れであって、これに対して誰も抗うことができないと私は思っている」と述べた。その重要な実例として、2020年11月、日中を含むアジア太平洋15カ国が共同で調印した「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が挙げられる。この協定は世界の半数近くの人口と3分の1近くの貿易量をカバーしている。これを受けて、同年、日中間の輸出入貿易額も着実に増加した。

程氏は、「例えば、昨年来の新型コロナウイルスの影響はあったが、中国と日本の間の貿易額はむしろ増えた。また、在中の日本企業のほぼ3分の2、6割以上が利益を上げた。そのため、在中の日本企業、中国に投資している日本企業の絶対多数が中国市場で経営や生産活動を継続、あるいは拡大するという意向を示している」と述べた。

鳩山氏は、「日中の経済関係が今後も連携を深めることに疑いを抱いていない。日本にも、中国にも、それぞれ得意分野があり、そうでない分野がある。特に日本はいわゆる資本財が得意だと言われ、中国は消費財が得意だと言われている。そして中国には巨大な市場という大変大きな利点がある。こうした互いの利点というものを生かして、そうでない部分を補い合い、互いに補完し合いながら経済を発展させていくことができれば、日本においても、また中国においても、ウィンウィンの関係を築くことが可能ではないか」との考えを示した。

■中国共産党の100年の歩みは世界的にもっと評価されるべき

鳩山氏は、「過去一世紀を振り返ると、日本による不幸な侵略があった。そういったものをはじめ、中国は極めて大きな困難に直面したが、その度に、中国の共産党が人民とともに困難を克服してきた。そのことに対して最大限の敬意を表する」と述べた。そのうえで、「中国共産党は結党以来、巨大な人口、国土、そして民族的多様性を抱えた国家を一つにまとめ上げ、そのことによって人民の生活を向上させてきた。そのことは大変大きな立派な歴史的な事実であって、世界的にもっと評価をされるべきことではないか」との考えを示した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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