韓国が世界初の「アプリ内課金強制禁止法」の制定を推進する中、GoogleとAppleが米国政府へ法案を阻止するための措置を要請した。24日、韓国メディア・ZD Net Koreaが報じた。

記事によると同日、米紙ニューヨークタイムズをはじめとする海外メディアは、GoogleとAppleから支援を受けるロビー団体が、韓国の「アプリ内課金強制禁止法」の国会通過を阻止するよう米国政府に要請したと伝えた。

韓国では同日、国会法制司法委員会（法司委）が全体会議を開き、アプリ内課金の強制禁止を趣旨とする「電気通信事業法改正案」について議論を行った。科学技術情報放送通信委員会が作成した同法案では、アプリ内課金について、特定の決済方法を強制する行為をはじめ、アプリマーケット事業者に対する五つの禁止行為を新たに設けている。国会は早ければ25日に本会議を開き、同法案を通過させる計画とのこと。

同法が通過した場合、韓国内のアプリ開発会社が独自の決済システムを選択することができるようになるため、GoogleやAppleに支払われていた手数料の負担も年間数千億ウォン規模で減少すると推定される。

これに対し両社が創立メンバーとして参与していた米国の情報技術産業協議会（ITI）と業界団体は、同法が米韓貿易協定違反に該当するとして反発しているという。両社から支援を受ける「アジアインターネット連盟」も7月に「（同法が）米国と韓国間の貿易紛争を引き起こす可能性がある」と主張していた。

米国政府は現時点において明確な立場を表明していないものの、Appleは米国政府の高官と韓国のアプリ内課金強制禁止法について議論を進めているといい、「『アプリ内課金強制禁止法』が制定された場合、デジタル商品を購入する際に詐欺の被害に遭うおそれがあるだけでなく、個人情報保護の面でも問題が発生する恐れがある」と語っているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「これはやりすぎ。内政干渉でしょ」「利益を失うのが惜しいだけなのに、セキュリティーのためだと主張するなんて笑ってしまう」「韓国は最近対米貿易赤字が続いているのに、手数料まで逐一払えだなんて無理な話」「手数料を下げればいいのに。すべての決済に関与しようとするのが間違い」「アップルは韓国をカモとみなしているくせに…。『アプリ内課金強制禁止法』は必ず通過させるべき」など、反発の声が相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）