台湾はなぜ中国人民解放軍を「気にしない」のか―米華字メディア

Record China    2021年9月4日(土) 15時20分

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31日、米華字メディア・多維新聞は「台湾はどうして中国人民解放軍を気にしないのか」とする評論記事を掲載した。写真は中国人民解放軍。

2021年8月31日、米華字メディア・多維新聞は「台湾はどうして中国人民解放軍を気にしないのか」とする評論記事を掲載した。以下はその概要。

8月17〜19日に中国人民解放軍が台湾南西部、南東部周辺海域で大規模な軍事演習を実施した。中国メディアも大々的にこれを報じ「米台の結託を揺るがす」「台湾を震撼させた」などと形容したが、台湾島内の反応は基本的に冷ややかだった。また、日本や米国の政治家やメディアが頻繁に「台湾海峡危機」の可能性を叫ぶ中、台湾の反応はリアリティーに欠け続けている。

中国に対する脅威を意識しながら、一方で人民解放軍の軍事演習には冷ややかという現象は、2つの点から分析することができる。まずは台湾が完全に人民解放軍を気にかけていないわけではないということだ。2019年3月に解放軍機が初めて台湾海峡の中央線を越えて飛行した際には台湾島内に震撼が走った。しかし、その回数が増えるにつれて市民の感覚は麻痺していき、今やすっかり慣れてしまったのだ。この点について言えば、中国政府の思惑は間違いなく成功したと言える。

次に、市民の感覚が麻痺した背景には、慣れ以外に「台湾には中国に抗う能力はないことを悟っている」ことも関係している。20年9月に解放軍機が台湾海峡の中央線を越え、さらに台湾に近いところまで飛んできた際に、台湾の国防部は「われわれは自衛反撃権しか行使できない」と語っている。すなわち、解放軍が明らかに攻撃を仕掛けてこない限り手を出せないということだ。

台湾市民は「中国共産党が台湾海峡の現状を変えようとしているが、米国に阻まれて中央線を越えて飛行する以上のことができないでいる」と認識しており、もし米国がいなければ台湾には中国に抗う力はないと考えている。

驚異を感じながら相手の行動に反応しないというのは現実逃避と分析する専門家もいるが、台湾社会にとっては「逃げるは恥だが役に立つ」なのだ。解放軍の行動に対する無視は、台湾自身のやるせなさということに尽きるのだ。(翻訳・編集/川尻

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