2021年9月8日、観察者網は、スキャンダルが多発している中国の芸能界について、専門家からタレントの資格認証制度を導入すべきだとの声が出ていると報じた。

記事は、国家ラジオ・テレビ総局が先日「バラエティー番組およびその人員の管理をさらに強化することに関する通知」を発表し、「キャスターの資格証所持規定を厳格に実行」するよう要求したことに関連し、専門家からは番組に出演するタレントに対しても同様の資格証制度を導入し、登録されていない人物の各プラットフォームへの出演を禁止するよう提案していると伝えた。

その上で、芸能界のガバナンスが社会問題となる中で資格制度をタレントにまで拡大すべきという意見が出るのは自然な流れであるとする一方で、タレントはキャスター業とは異なり、その力量や芸術的レベルを良化するのは難しいため、合理的な制度構築のためには長期的な模索が必要との見方を示している。

また、1990年代には一部のタレントが出演する際には出演証が必要とされた時期があり、その後規制が緩和されて今世紀に入ってからは出演証が不要になった経緯があることも紹介。出演のための資格証を復活させる、あるいはさらに厳しい制度を導入するには、その周辺の制度、体制を整備させる必要もあるだろうとした。

この件について、中国のネットユーザーは「単に出演証や資格証の制度を導入すればいいという話ではない。芸能界を管理する上での重点は監督と秩序の維持であって、ハードルを設けることではない。ハードルは下げても構わないから、その代わり業界や従事者の監督管理を許可しろということ」「資格証の導入は制度面、管理面での後退をもたらすと思う。これによって有害な人物を全て打倒することはできないだろう。やるべきは法に基づく厳格で正しい管理だ」「試験にさえ合格すれば得られる資格証書が、実際どれだけ役に立つのかってことを考えるべき」といった感想を残している。（翻訳・編集/川尻）