米国の中国語ニュースサイトの多維新聞は20日、中国による台湾産果物の輸入停止の次のターゲットはかんきつ類になる可能性が高いと台湾当局はみていると報じた。

中国税関総署は18日、台湾産のバンレイシとレンブについて、害虫が検出されたとして、20日から輸入を一時停止すると発表した。中国当局は3月にも同様の理由で台湾産パイナップルの輸入を停止している。

記事によると、台湾農業委員会（農林水産省）の陳吉仲主任委員（閣僚）は19日、「次に中国の影響を受ける輸出品目はかんきつ類になる可能性が高いが、万一の場合に備えて十分な準備が整っている」と述べた。

農業委員会国際処の林家栄処長も、「今年のマンゴーとブンタンは生産シーズンが過ぎているので、次に問題に直面する可能性が高いのはかんきつだが、同様の状況が再発しないことを望んでいる」と述べている。

林氏によると、昨年の台湾産かんきつ類の輸出量は3985トンで、うち中国向けが3345トン、香港向けが279トン、シンガポール向けが171トン、カナダ向けが153トン。

林氏は、「かんきつ類の加工品の輸出における制限は生鮮品ほど多くなく、その上、加工品の種類も多いため、パイナップルやバンレイシ、レンブのような状況が起きた場合でも、十分な準備が整っている」とした。

農業委員会の統計によると、2018～20年の果物の対中輸出量は、パイナップルが12万2876トンで最も多く、バンレイシが3万9171トンで続き、レンブが1万2536トン、ブンタンが1万1259トン、マンゴーが1万866トン、かんきつが9505トン。（翻訳・編集/柳川）